──どういったきっかけだったのですか?「瑛太さんが出ていたNODA・MAPの『逆鱗』(2016年)を見に行った時に楽屋に挨拶に行ったら、瑛太さんが『この人、ワークショップに出たいみたいです』『長澤さんがワークショップに参加したいと言ってます』って、廊下でみんなに聞こえるように言ってくれて(笑)。ええっ!?と思いましたけど、NODA・MAPの舞台は前からいくつか見ていて、いつか自分も出てみたいという思いをずっと持っていたので嬉しかったです。外に出かけて行くって、いいことだなと思いました(笑)」
──今回は、その瑛太さんと兄弟の役を演じられるとか。三兄弟の長男の花火師は松本 潤さんだと伺っています。「松本さんとお芝居でご一緒するのは、三谷(幸喜)さんの『わが家の歴史』(2010年)というスペシャルドラマ以来なので、すごく嬉しいです。嘘のない人で、本音で会話をしてくれるので、自然と『ついていきます!』という気持ちになるんですよ。松本さんも瑛太さんも、出会った時からすごい人たちで、私にとっては大先輩なので、足を引っ張らないように頑張りたいです。胸を借りるつもりで、思い切りやれたらと思います」
──『正三角関係』という作品自体には、現時点でどんな感触・印象をお持ちですか?「野田さんの作品にはレイヤーがあるので、まだ理解が追いついていないところもあるんですが、言葉遊びが詰まったセリフを聞いているだけで楽しくて。そこにちりばめられた言葉をキャッチして、『こういうことになるんだ』とか『この人はこういう人なのか』と思いながら、関係性が複雑に交差している物語がどうなっていくのか、いろいろ想像しています」
──先ほど「また野田さんの演出を受けたいと思っていた」と話されていましたが、どういうところに魅力を感じていらっしゃいますか?「野田さんは、人の本音の部分だったり、ちょっとひねくれた部分や、面白い部分にすぐに気づいて、そこを突ついてくるというか、誘いをかけてくるんです。それで、ついそれに乗ってしまって、気がつくと『あ、引っかかっちゃった』という感じになる(笑)。そういうところが楽しくて、私は好きです。それぞれの人の人間味のあるところにいち早く気がついて、ユーモアを持って上手に引っ張ってくださるので、みんな楽しくその場にいられるんですよね。だからみんな、野田さんと一緒に仕事をしたくなるのかなと思います」