クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。
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第268回 ジョン・ウィリアムズ『スター・ウォーズ』
イラスト/なめきみほ
史上最高の映画音楽とは
今日5月25日は、映画「スター・ウォーズ」シリーズの記念すべき第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の公開日です。
1977年公開のこの作品は、オリジナル3部作の第1作目。『ジョーズ』を抜いて世界歴代興行収入記録を更新した大ヒット作です。この作品の音楽を担当したのが、当時45歳の作曲家ジョン・ウイリアムズ(1932~)でした。彼が手がけた印象的な音楽は、アメリカン・フイルム・インスティチュート(AFI)によって“史上最高の映画音楽”に選出されています。
それにしても、ジョン・ウィリアムズ作品は綺羅星のごとし。アメリカの興行収入上位25作品のうち6作品が彼の作品であることに恐れ入ります。アカデミー賞受賞は5回(作曲賞4回、編曲賞1回)を数え、ノミネート数53回は、かのウォルト・ディズニー(1901~66)の59回(22回受賞)に次ぐ第2位というのにも納得です。
近年ではウィーン・フィルや、ベルリン・フィルでも自作を披露するジョン・ウィリアムズこそは、同時代最高の作曲家の1人といえそうです。
田中 泰/Yasushi Tanaka一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。