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「SHIBUI」色と緻密な作り。カシケイが誇る“ブラウンダイヤモンド”とは?

2024.05.31

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ジュエリー見聞録 6月 宝石史研究家・山口 遼さんの解説で、素晴らしいジュエリーとその見どころをお届けします。前回の記事を読む>> 連載一覧へ>>

ブラウンダイヤモンドに美と価値を与える

解説/山口 遼(宝飾史研究家)

「カシケイ」が誇るブラウンダイヤモンドを使った新作です。この頃では、外国でも「SHIBUI」という言葉が通じるようですが、渋い色です。

数ある宝石の中で、石の色が最も多いのは、ガーネットやサファイアなどと思われがちですが、実は最も色彩が豊富なのはダイヤモンド。赤、ブルー、グリーン、イエロー、ピンク、さらには黒まで、ほとんど何色でもあります。ただ色のある石の数が異様なまでに少ないために、あまり知られていないのです。


そうした様々な色合いの中で、なぜかブラウン色だけはカラーダイヤモンドとして扱われず、その多くはかつて工業用のものとして使われてきました。しかし、ブラウンの中には透明感があり、輝きもある素晴らしい石があることを見つけ出し、それに優れたカットを加えることで、ジュエリーに使えることを発見したのが、カシケイでした。この2つのブラウンダイヤモンド、色合いは別々ですがとても美しい。きものにも似合う、日本人が好むシックな色合いです。

作りもすごいのです。ネックレスは丸い管をつなぎ合わせていますが、その管の全周に合計31・64カラットものブラウンダイヤモンドが埋まっており、その上を6カラットのダイヤモンドがスライドします。指輪の方も、腕の部分にきっちりとカットしたダイヤモンドが左右見事に並んでおり、センターの石を引き立てています。ダイヤモンドの色合いといい、作りの緻密さ、複雑さといい、いかにも日本ブランドらしい名作です。 「カシケイ」が誇るブラウンダイヤモンド ブラウンの色の魅力を見事に引き出したデザイン
右・見事なエメラルドカットを施したダイヤモンドは20ct超。イエローがかったブラウンのノーブルな色合いに引き込まれます。リング(Pt×ブラウンダイヤモンド20.86ct×ダイヤモンド計2.02ct)※価格はお問い合わせください。 左・センターの石は、繊細に煌めくチェーンのお好みの位置で留めることができます。こちらはオレンジがかった温かみのあるブラウン。ネックレス(BG×ブラウンダイヤモンド・センター6.02ct)4290万円/ともにカシケイ

●お問い合わせ/カシケイ 日本橋三越本店 本館6階 ジュエリーギャラリー
TEL:03(3274)8483

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年06月号

家庭画報 2024年06月号

撮影/栗本 光

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