〔特集〕「京都」美味案内(2)気鋭の和食店で旬の味を楽しむ 才能ある料理人や舌の肥えたお客様が集う京都で研鑽を積み、満を持して開店。培った知識や技術に、自身の感性を加味した料理とともに長く愛される店を目指し、日々奮闘する注目の7軒へとご案内します。
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主と相談しながら食べたいものを自由に選ぶ楽しみ
間(河原町丸太町)
焼きなすにした水なすをペースト状にして冷やして下に敷き、炭火焼きの伝助あなごをのせた一品。器は魯山人の織部鉢。
京都御所の南東あたり、住宅街の一角に「間(かん)」が開店したのは2024年の節分のこと。店名は修業先の「実伶(みれい)」のご主人と相談して決め、それを同じく修業先の「本家たん熊」のご主人が揮毫。暖簾にその文字が染め上げられています。
カウンターの中で一人忙しく立ち働くのは間瀬卓也さん。「お客様が好きなもの、食べたいものを自由に選んでもらうスタイルが、僕は好きなんです。お好みをうかがい、相談しながら一緒に順番を考えて、オリジナルコースを仕立てることもできますよ」。
ご主人の間瀬卓也さん。京町家を改装した店には、いちょうの一枚板のカウンターが7席。
お品書きは日替わり。「席に座って、さあ今日は何を食べようか、と考えていただけたら嬉しい」。
開店時より少しずつ数が増えているというお品書きには、前菜、お造り、炭火焼き、炊き物、揚げ物、締め物などの料理ごとに、旬の食材、定番の人気料理がずらりと並びます。
低温調理で柔らかく仕上げた冷前菜、くじらのローストビーフ風。中国山椒をきかせた自家製ラー油とともに。
牛肉の炊いたん。牛の首裏にあるヒモという部位を水と昆布で2日煮て、箸で切れるほど柔らかく仕上げた。
味を含ませながら柔らかく蒸し上げた黒あわびの天ぷら。きものソースをつけていただく。
なかでもおすすめは、炭火焼き。通年味わえる鹿児島「うしの中山」の黒毛和牛に加えて、初夏ならば、鮎の塩焼き、ビワマスの幽庵焼き。
修業時より好きで買い集めてきた骨董や、京焼をはじめとする現代作家の器との出合いも楽しみです。
間住所:京都市上京区俵屋町430-4
TEL:075(708)6805
営業時間:17時~19時30分(入店)
定休日:月曜
料金:1人予算1万5000円~
※要予約
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