〔特集〕「京都」美味案内(2)気鋭の和食店で旬の味を楽しむ 才能ある料理人や舌の肥えたお客様が集う京都で研鑽を積み、満を持して開店。培った知識や技術に、自身の感性を加味した料理とともに長く愛される店を目指し、日々奮闘する注目の7軒へとご案内します。
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自慢の素材で仕込んだ焼き物や鮮魚料理をお目当てに
食場大野(東山安井)
数軒の店を回って調達する野菜は、鮮度と持ち味を生かして「野菜と穴子の炊き合わせ」に。
8割がリピーターながら、一見のお客様にも快く応じてくれる「食場(じきば)大野」は、食材、炭火焼き、お酒が評判のカウンター7席の割烹。つきだし、お造り、お椀の3品から始まり、その後は一品料理20品ほどから好みのものを選ぶスタイルです。
魚料理が評判の居酒屋に10年勤め、魚やお酒の知識を深めた大野道洋さん。料理と居心地のよさに惹かれ、毎週通う常連客もいる。
お酒好きの心をそそるメニューが充実。酒器を選ぶ楽しさもあり、料理もお酒も好みを通せる。
店主の大野道洋さんの人脈や経験を生かして手に入れる食材は、魚種が豊富な豊後水道の杵き築つきから直送される魚や、入手困難な滋賀県「岡崎牧場」の「近江日野牛」、自身で厳選する近郊野菜、天草の実家の父親が作るヒノヒカリなど、第一線のものばかり。
旬の食材で作るつきだしは、初夏はたいら貝やとり貝に新玉ねぎのすり流しがかかる。
部位で焼き方を変える「牛肉の炭火焼」。わさびと低温で揚げたにんにくチップと。
量の加減や調理法にも可能な限り応えてくれ、「いい食材が揃えられるので、そのぶん、だしの仕込みに時間をかけたり、焼き物に集中でき、料理に合わせてお酒やワインもご提案します」とリクエストも細やかに受け入れてくれます。
「おこぜの煮物椀」。だしは独自のひき方で時間をかけて昆布のうまみを抽出。
釣った漁師や漁場まで把握する杵築の鮮魚店から直送される、豊後水道の魚の造り。4日間熟成させた白甘鯛など。
通うほどに好みを知ってもらえ、一人客でも会話の輪に入れる行きつけにしたくなる一軒です。
食場大野住所:京都市東山区月見町6-2
TEL:075(555)3018
営業時間:17時~19時30分(入店)
定休日:日曜
料金:1人予算1万5000円 おまかせ1万3000~2万2000円
(次回に続く。
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