〔特集〕「京都」美味案内(3)気分で選ぶ気軽な昼ご飯 夜は日本料理のコースを予約しているから、昼ご飯は軽めにしたい──。そんな読者の皆様の声にお応えして、麺、洋食を気軽に楽しめるお店をご紹介します。
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祇園の名割烹の味をミニコースで堪能する
ぎをん今(祇園)
箸ですっと切れる柔らかさの「鰻丼」。だし巻きと日替わりの料理を盛った先付、水物がつく。この日のおかずはいわしの梅煮と牛すじ煮込み。5830円。
花街の風情漂う祇園南側に店を開いて14年目を迎える「ぎをん今(こん)」は、知る人ぞ知る正統派の板前割烹。
夜は昔ながらの紹介制を通していますが、2024年の3月から一見さんも利用できるお昼を始め、ご贔屓筋に好評の鰻丼とすっぽんラーメンをミニコースでいただけるようになりました。
「料理屋なので季節の一品もお楽しみいただき、鰻はそのものがおいしいので、それを生かす火入れの仕方とたれの味、すっぽんは丸鍋のスープに合うのど越しのよい麺にこだわりました」と話す、大将の今 陽介さん。
追加で楽しめる単品メニュー。手前から「鰻ざく」1980円、「二口お稲荷」(2貫)440円、だし巻きと鰻が一体となるように工夫された「うまき」1980円。
滋味溢れる濃厚なすっぽんスープにたっぷりのねぎがのる「すっぽんラーメン」。季節の先付と二口お稲荷、水物付き。5280円
注文を受けてから炭火で焼く鰻は、皮は香ばしくて身は柔らかく、サクッ、ふわっのおいしさに思わず歓声が上がります。継ぎ足しながら作るたれは、甘すぎたり脂分が多くて重くなりがちですが、こちらのものは砂糖を控えたキリッとした味つけ。滋養たっぷりのすっぽんラーメンも後味がよく、ペロリといただけてしまいます。
お土産用の「鰻寿司」は煮鰻を使い、持ち帰る頃にご飯となじんでいっそうおいしくなる。1本8100円。二口お稲荷の折詰は手土産やお見舞いの品として人気。2376円。
口の肥えた上客に寄り添い磨かれた店だけあって、持ち帰れるお寿司も用意され、花街のそこはかとない華やかさや割烹の粋も堪能できます。
靴を脱いで上がるカウンター。ご主人の今 陽介さんとスタッフの見事な連携も見どころ。
ぎをん今住所:京都市東山区祇園町南側570-6
営業時間:12時〜13時30分(LO)夜は紹介制
定休日:月曜・火曜・金曜
※Webサイト(
https://gion_kon.com/)より要予約
(次回に続く。
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