〔特集〕手で触れ、心と体を慈しむ 幸福ボディケアのすすめ 第1回 “触れる、触れられる”心地よさにゆったりと身をゆだねる。大人こそ、そんな至福の時間が大きな意味をもちます。命を包んでいる肌を大切に扱うことは、今を生きる自分を慈しむこと、丁寧に生きるということ。自愛のボディケアで、より幸福感に満たされる毎日へ。美容と健康によい癒やしのアイテムや効果的なマッサージ法、美のプロの愛用品など、今すぐ役立つ情報をお届けします。
体に意識を向け、優しく丁寧に触れるボディフルネスでしなやかな美しさを手に入れましょう
「Lyvolvant」主宰
薬剤師・内外美容研究家
早野實希子さん北里大学東洋医学総合研究所で東洋医学と漢方の研鑽を積み、美容健康学の英国上級国家資格を取得。サロン「Lyvolvant」を主宰し、国内外でセレブリティの施術を行う。
「心も体も揺らぎやすい家庭画報世代が、今もこの先も健やかに過ごすために意識して行いたいのがボディケアです。マインドフルネスという言葉をご存じの方も多いと思いますが、体にフォーカスし、丁寧にケアすることで心身ともに健やかに導く、いわば“ボディフルネス”という考え方です。
マッサージには血流を促す即時的効果だけでなく、毎日規則正しく行うことで自律神経を整えたり、ホルモンの分泌を安定させる働きがあるといわれています。脳と肌は密接に結びついており、マッサージをすると脳が心地よく感じてリラックスするので、ストレスが緩和されると同時に“幸せホルモン”と呼ばれるオキシトシンが分泌されやすくなります。自分で行うセルフマッサージでも幸福感は十分得られるのです。
また、自分の体にしっかりと向き合う時間をもつ意義も大きいです。若い頃には自分を魅力的に見せるため、ファッションを着こなすためのボディケアが主目的だったかもしれませんが、これからは健康維持がより重要な年代。毎日触れ、観察することで、今の肌や体の状態を確認することができますし、ちょっとした変化をキャッチすることもあるでしょう。その気づきを大切にしてください」
例えばこんなこともボディフルネス
朝起きたら足踏みをする体調は日によって異なります。一日の始まりに“体の声”を聞くことを習慣に。毎日同じ動きの負荷をかけることでその日の体調がわかります。おすすめは足踏み。基礎代謝アップにも効果的です。
体の弱点を意識する家庭画報世代は古傷や遺伝的な弱点が表立って現れやすくなります。不調を回避できるよう、過去の出来事を振り返ったり、親の病歴をチェックしたりなど、体を客観的に見つめ直してみましょう。