〔特集〕幸福ボディケアのすすめ 第5回 美容と健康によい癒やしのアイテムや効果的なマッサージ法、美のプロの愛用品など、今すぐ役立つ情報をお届けします。
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入浴こそ最高のボディケアタイム
『家庭画報』の医学連載でもおなじみの天野惠子先生にとって、一番のリラックスタイムであり健康の秘訣は、入浴。その大切さを実感したきっかけはご自身の更年期障害でした。「あらゆる治療法を試しても改善しなかった体の痛みやだるさ、頭がぼーっとするなどの不快感が唯一、入浴後には噓のように解消したのです」。
以来、診療の中でも不調を訴える患者さんに入浴の重要性をアドバイスし、温熱効果を利用した治療法を症状改善に用いています。
静風荘病院特別顧問
天野惠子先生東京大学医学部卒業。専門は循環器内科。2009年より静風荘病院(埼玉県新座市)で女性専門外来を開始。日本性差医学・医療学会理事、NPO法人性差医療情報ネットワーク理事長。
一日のリセットに、更年期の不定愁訴に。40〜41度で15分、湯船につかる習慣を
入浴によって体温が上がるとどんな好影響があるのでしょうか。
まず血管が拡張し、心臓から送り出される血流が増えて毛細血管の先まで血液が行き渡ります。すると酸素と栄養が体のすみずみに運ばれて全身の細胞が活性化。免疫力が上がり病気からの回復を後押しします。さらに自律神経を整えて心身をリラックスさせ安眠をもたらす、抗酸化作用によるアンチエイジング効果、寒冷刺激によって生じる頻尿の改善など──。
このように幅広い効果が、循環器内科医やリハビリテーション専門医の行った実験データから明らかになっています。つまり入浴習慣は、医学的に“健康と若々しさをもたらす可能性がある”と証明されたボディケアなのです。
「特に更年期の女性にとって、エストロゲン減少に伴う不調の改善やこれから増えてくる病気の予防に入浴が役立つことは間違いありません」と天野先生。「40〜41度の湯に15分間、首までしっかりつかりましょう。出た後、暖かい布団の中で30分リラックスすればより保温効果が上がります」。
バスタイムを、ただ汗や汚れを落とすだけのシャワーですませてしまうのはもったいないこと。今日からゆったり湯船につかり、体の芯からのボディケア習慣を。
家庭画報の連載が書籍になりました
エストロゲンが低下する更年期以降、増えてくる病気と予防法を解説。入浴・食事・運動など生活習慣の大切さにも触れており、健康長寿を目指すすべての女性必携の書です。
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