〔特集〕進化した貸し切り車両や最上級シートで 贅沢な列車時間を 『ゆったりとくつろげるソファ席、扉が閉まる完全個室、美しい風景が眺められる窓向きのカウンター席など、これまでの列車の座席の概念を覆す車両が続々と誕生しています。贅沢な移動時間を約束してくれる、全国9列車の旅へご案内します。
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沿線の伝統工芸の意匠を随所に取り入れた新型特急【スペーシア X】浅草駅(東京都)~ 東武日光駅(栃木県)
戸田菜穂さんがコックピットスイートで日光へ
優雅なリビングルームのような6号車の「コックピットスイート」で車窓に流れる風景を楽しむ俳優の戸田菜穂さん。定員7名と私鉄特急最大の広さを誇る個室には、スペーシア Xの中でも最上級のシートが配され、ゆったりとくつろげる。
ワンピース7万5900円 カーディガン3万800円/ともにオブリオ イヤリング7万5900円 バングル9万200円/ともにホアキン・ベラオ
“走るリビング” で目的地までゆったりと旅する ── スペーシア X
古くから東京と日光エリアを結ぶ東武鉄道に、2023年7月、新型特急「スペーシア X」が誕生しました。6両編成の車両には通常の座席に加え、快適な移動を叶えるラグジュアリーな座席も用意されています。
俳優の戸田菜穂さんが乗車したのは6号車の「コックピットスイート」(上写真)。
まるでホテルのスイートルームのような空間で、運転席の背面にある大きな窓と側面の広い窓から迫力ある景色を望むことができます。
「何時間でも座っていたくなる心地よさで、あっという間に日光に着いてしまいました。六角形の窓から見る景色は、いつもと違ってわくわくしますね」と戸田さん。
栃木県鹿沼市の伝統工芸、組子をモチーフにした特徴的な窓の形、日光東照宮陽明門の柱にある「グリ紋」を模した文様が施された照明など、地元ゆかりの意匠が取り入れられています。
コの字形のソファを設置した6号車の個室「コンパートメント」は定員4名。扉の開閉ができ、プライベートな空間が保たれる。
また、1号車「コックピットラウンジ」は、カフェカウンターのそばにソファを配した空間。「日光金谷ホテル」や、中禅寺湖畔に今も残る旧大使館別荘のクラシックな美しさをテーマにデザインされています。
1号車の「コックピットラウンジ」。1~4人掛けのソファ席がカフェにある。
カフェメニューから、日光「片山酒造」の酒粕を使った「酒粕のバターサンド」(370円)と「日光珈琲」の「日光ブレンド」(550円)。1号車か6号車に乗車すると、優先的にカフェを利用できる。2~5号車の場合、乗車後整理券の予約が必要。
日光の歴史遺産を巡る前、2時間弱の移動時間が、きっと素敵な旅のプロローグになることでしょう。
新緑が美しい日光の杉並木沿いに、時速約110キロで快走。車体の白は、日光東照宮の陽明門や本殿に使われた胡粉の色をイメージ。写真/櫻井 寛
戸田菜穂さん(とだ・なほ)1974年広島県生まれ。1990年ホリプロタレントスカウトキャラバンで、グランプリを受賞しデビュー。1993年、NHK連続テレビ小説『ええにょぼ』でヒロインを務める。以降、映画やドラマに多数出演。現在、フジテレビ『366日』、テレビ東京『君が獣になる前に』に出演中。
スペーシア X
●運行日通年運行、1日6往復(臨時列車あり)
●運行区間浅草駅〜東武日光駅、浅草駅〜鬼怒川温泉駅
●予約乗車日の1か月前の9時から。要予約
●料金の目安浅草駅~東武日光駅の場合(運賃・特急料金などを含む)、スタンダードシート3340円~。ご紹介したコンパートメントは1万1340円(1名で利用の場合・定員4名)、コックピットラウンジは3840円~(1名席)、コックピットスイートは2万1340円(1名分の料金・定員7名)。※人数が増える場合、乗車区間に応じた運賃と特急料金が追加で必要。
●お問い合わせ東武鉄道お客さまセンター TEL:03(5962)0102
https://www.tobu.co.jp/spaciax/(次回へ続く。
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