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「ショーメ」の類いまれな表現力を、煌めく黄金の傑作ティアラで感じる

2024.06.28

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ジュエリー見聞録 7月 宝石史研究家・山口 遼さんの解説で、素晴らしいジュエリーとその見どころをお届けします。前回の記事を読む>> 連載一覧へ>>

翼を広げたキジの姿を見事にデザインした傑作ティアラ

解説/山口 遼(宝飾史研究家)

このコラムには、ほとんどの種類のジュエリーが繰り返し登場してきましたが、今回の「ショーメ」の最新作は、連載の記憶の中でもまれな、女性の頭部を華やかに飾るティアラです。

ティアラというジュエリーは、ジュエリーの中でももっとも大きく、顔の正面につけるので非常に目立ちます。昔は誰でもが使えるものではなく、王侯貴族のご婦人だけが、しかも正式の場に限って着用できました。ですから、王侯貴族のいない国の宝石店はそもそもティアラを作っていません。


このショーメのティアラ、黄金の羽根を意味する“プリュム ドール”と名づけられたものですが、羽根は羽根でも、翼をいっぱいに広げて求愛するキジを描いたものです。サテン仕上げで光沢を抑えたピンクゴールドの羽根と、ホワイトゴールドにダイヤモンドを埋め込んだ羽根を交互に並べ、中央の胴体にあたる部分には、大きなドロップカットのダイヤモンドをセットして、見事なデザインを構成しています。

羽根を取り外し、髪飾りやブローチにも使えるという凝った作り。なかなかに実用性を考えたものです。ティアラの頭を押さえる部分の両端には小さな穴があり、着用の際はゴムを通して固定します。ティアラとしては小振りなので、難しく考えずに髪飾りとして使われると一段と引き立ちます。シンプルながら素晴らしいジュエリーですね。

プリュム ドール ゴールドスミス(金細工師)をルーツに持つメゾンの、華麗な技を感じて
自由に羽ばたく鳥たちに焦点をあてた新作ハイジュエリーコレクション「Un Air de CHAUMET-アネール ドゥ ショーメ」より、西洋で想像力や創造性を象徴するとされるキジをモチーフにしたティアラです。2つの翼が少し重なるように左右に配されており、中央には2.3ctのダイヤモンドが燦然と輝きます。モチーフはそれぞれ取り外すことが可能で、髪飾りやブローチとして楽しむことができます。ティアラ(ダイヤモンド×WG×PG)1億208万円(参考価格)/ショーメ

●お問い合わせ/ショーメ
TEL:03(5635)7057

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年07月号

家庭画報 2024年07月号

撮影/栗本 光

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