日本に初めてカルティエのブティックができたのは1974年のこと。それから50年を迎えた今年、東京国立博物館 表慶館で大規模展覧会「カルティエと日本 半世紀のあゆみ『結 MUSUBI』展」が開催されます。
2024年6月12日から始まる本展の大きな見どころは、〈メゾン カルティエと日本〉、〈カルティエ現代美術財団と日本のアーティスト〉という2つの軸で、美と芸術の物語を総覧できる点にあるでしょう。
1987年以降の日本の展覧会から、華麗なるピースが集結。こちらは1995年開催の『The Art of Cartier』展に登場したネックレス。《ネックレス》1936年 Nils Herrmann, Collection Cartier © Cartier
20世紀に入ると、花鳥風月 を愛で、自然を豊かに描く日本美術の感性は、メゾンのクリエイシ ョンに大きな影響を与えました。《「バード」クリップブローチ》1944年 Nils Herrmann, Cartier Collection © Cartier
《ピーコック ブローチ》1989年 Nils Herrmann, Cartier Collection © Cartie
日本の印籠(左)にインスピレーションを得て制作されたヴァニティケース(右)。左《二段重ねの印籠》1890年頃 Marian Gérard, Cartier Collection © Cartier 右《シガレット ヴァニティケース》 1924年頃 Nils Herrmann, Cartier Collection © Cartier
藤の花のペアブローチ(左)。日本の地を踏まずとも、書物や図録(右)が大きな創造源に。右 ジークフリート・ビング著 『芸術の日本』第1巻 (Libraire centrale des Beaux-Arts、1888–89年)より Archives Cartier Paris © Siegfried Bing 左《ブローチ》 1903年 Nils Herrmann, Collection Cartier © Cartier
縞模様も緻密に表現した虎のペアクリップ。アジアに生息し、東洋画にたびたび登場する虎は、オリエンタリズムの象徴。《「タイガー」イヤークリップ》 1961年 Nils Herrmann, Cartier Collection © Cartier
会場となる東京国立博物館 表慶館の左右対称な造りを生かし、建物右側ではジュエリー、左側ではアートの、日本との繫がりをテーマにした展示が繰り広げられます。メゾンと財団がともに一つの展覧会を作るというのは、実はかつてないこと。