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素朴な旋律が心に沁みる合唱作品。シャルパンティエ『真夜中のミサ曲』

2024.06.25

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第299回 シャルパンティエ『真夜中のミサ曲』

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

素朴な旋律が心に沁みる合唱作品

今日6月25日は、フランスバロック時代の作曲家、マルカントワーヌ・シャルパンティエ(1643~1704)の誕生日です。

ルイ14世時代にジャン=バティスト・リュリ(1632~87)と並ぶ名声を得ていたシャルパンティエは、フランスを代表する劇作家モリエール(1622~73)の一座と関係を持ち、彼のために劇音楽を数多く作曲したほか、教会のための宗教音楽を数多く手がけた作曲家です。

中でも、クリスマスシーズンを祝うための美しい音楽の数々が心に残ります。代表作として知られる『真夜中のミサ曲』もその1つ。繰り返される素朴なメロディがとても印象的なこの曲が一躍注目を集めたのは、パリ13区のアマチュア合唱団の姿を描いた2004年のフランス映画『合唱ができるまで』の中でシンボル的に使われたことでしょう。


50歳を越えた円熟期の作曲とされるこの曲の最大の特徴は「ノエル」(クリスマス)の歌の旋律が用いられていること。この明快で親しみやすい旋律を活かしたシャルパンティエの感性こそが、人々に愛されてきた理由といえそうです。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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