〔特集〕洗練された空間の中、ゆっくり移動しながら 船上で美景に出合う 地球の面積の約70パーセントを占める海。陸地での慌ただしい暮らしから、つかの間離れて船旅に出ると、私たちが住む地球の美しさに改めて気づかされます。いつも見ているはずの空や夕日さえ、胸が熱くなるほど色鮮やかでドラマチック。新たな発見や感動、インスピレーションに出合える話題のクルーズ船で、いざ海の旅に出かけましょう。
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フランスのラグジュアリー船で知られざる九州の海岸・離島の絶景へ
【ポナン】鹿児島県→熊本県→長崎県
フランス船「ポナン」が日本国内発着のクルーズを開始。同船の日本の旅は、極地に次ぐ人気。上写真は船後方にあるインフィニティ・プールからの眺め。©PONANT
洗練されたフレンチスタイルの客室で目覚めると、バルコニーの外には霧に覆われた山連なる幻想的な島が広がっている ──。「こんな美しい場所が日本にあったのか」と感動する瞬間が毎日のように訪れる。
そんな知られざる日本を発見できる、日本発着の旅をフランスのラグジュアリー船「ポナン」が2023年よりスタートし、国内外の旅好きの熱い視線を集めています。
「オーナーズスイート」のデッキにて、甑島(こしきしま)を眺めるチェロ奏者の水谷川優子(みやがわゆうこ)さんとヴァイオリニストのマーク・ゴトーニさんご夫妻。
ポナンの「ル ジャック カルティエ号」は、2024年4月に熊本県天草市の﨑津に客船として初めて入港し、世界文化遺産である﨑津集落を訪れました。
﨑津諏訪神社の奥にある約500段もの石段を上ると、﨑津の入り江が一望できる。早朝には、霧が立ち込める幻想的な世界が広がる。
乗客約130人のスモールシップで、エンジン付きのゴム製「ゾディアックボート」を備えているため、小さな島にも上陸することができます。
早朝に﨑津集落を巡った後、風を切りながら船に戻るボート。
早朝に﨑津港に着くと、まだほかの観光客がいない静かな集落を訪ね、キリスト教伝来の歴史を辿りながら散策しました。
1569年にポルトガルの宣教師が初めて船で訪れた﨑津。ボートで上陸するからこそ出合える風景がある。﨑津教会は1934年にフランス人宣教師ハルブ神父により再建された。
ポナンは、小型船ならではの航路と陸地での体験が魅力。訪れる土地の自然や文化、暮らしを“探検”し、知的好奇心を刺激する、新しい旅のかたちを提案しています。
地質学、海洋生物学、野生動物学、建築学といった、約20人の専門家も同乗。人生観を変えるような、インスピレーションと学び溢れる旅を約束してくれます。
ロビーでは、陸地でのアクティビティなどについて相談できる。日本国内のクルーズでは、日本人のスタッフも同行。
7階にはスパやジムを完備。
5階の「ブリッジ」にて操船指揮をとるルノルマン船長。乗客も見学することが可能。2024年4月20日に鹿児島を出港した後、屋久島、甑島、﨑津・天草、上五島、壱岐、済州島(韓国)を巡り、福岡に戻る7泊8日の航路にて。2025年は、大阪〜瀬戸内海も巡る予定。