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新たな20世紀音楽を切り開いた重要人物、シェーンベルク初期の傑作

2024.07.13

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第317回 シェーンベルク『浄夜』

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

シェーンベルクの生活を支えたヒット曲

今日7月13日は、20世紀を代表する作曲家、アルノルト・シェーンベルク(1874~1951)の命日です。

既存の調性音楽から脱して無調音楽に入り、「十二音技法」を創始したことで名高いシェーンベルクは、20世紀音楽の新たな方向性を描き出した重要人物です。

そのシェーンベルクが1899年に作曲した弦楽六重奏曲『浄夜』は、シェーンベルク初期の名作です。同時代のドイツの詩人、デーメルの同名の詩を題材としたこの曲は、月下の男女の語らいを描いた「室内楽のための音詩」という、特異なジャンルを生み出したことでも注目されます。


物語の大意は、「月夜の下で、女が男にお腹の中の赤ちゃんはあなたの子ではないことを告白。男は苦悩しながらも、私達の子として育てようと言って女を赦す」というシュールなもの。そこに添えられた音楽は、初期シェーンベルクの“美の結晶”といった趣です。

人気作故に、弦楽合奏版や、ピアノ三重奏版などの編曲や改訂が重ねられ、それがシェーンベルクの主要な収入源となったことも見逃せません。作曲家にとってヒット曲は重要です。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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