その違いはいったい何なのでしょう。 自分への感謝を毎日続けると高まっていく自己肯定感
マドカさん 自己肯定感が高いかどうか、短所も失敗も含めたありのままの自分を受け入れられるか否かの差ではないでしょうか。自己肯定感が低いと歳とともに後悔ばかりが積み重なり、愚痴っぽくなる一方。対人関係もうまくいきません。でも、人は何歳からでも変わることができます。私たちの知人に、1年足らずのワークで驚くほど自己肯定感が高まった人がいます。
どんなワークなのかぜひ知りたいです。マドカさん 初対面同士5人のグループでSNSに“自分への感謝”を投稿し合うだけなのです。ポイントは3つ。毎日続けること、最後を「~した(できた)自分にありがとう」で締めくくること、投稿に対するコメントはしないこと。約300日続けた結果、愚痴ばかりで家族関係も仕事上の人間関係もぎすぎすしていた人が、他者への思いやりに溢れ、みんなから慕われる“いい人”に激変したのです。あらためて感謝の力ってすごいと思いました。
前野先生 「変わりたい」という素直な気持ちがあって自分への感謝を続けていると、自分を受容できるようになり、他人に寛容になって周囲からの評価も上がり、さらに自己肯定感が高まる──。そんな好循環の出発点が感謝なのですね。
マドカさん 仲間で取り組むといろんな人のいろんな感謝に触れるので、「あ、こんなことも感謝になるんだ」と気づくことができ、日常のささいなことにも感謝を向けられるようになります。もちろん自分一人で続けても効果はあります。行き詰まったら親しい人に自分の長所を聞いてみては? 自分を客観視できて新たな感謝の対象を発見できるかもしれません。
前野先生 「感謝の習慣→自己肯定感が高まる→加齢とともに幸福度が上がる」の構図は超高齢社会を迎えた日本にとってまさに理想。「老化」が当たり前に「幸福化」を意味する日が早く来るといいですね。