藤野幸信さんが選ぶ「季節の贈り花」 今、この花を贈りたい! 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが“今贈りたい”おすすめの花をセレクト。その花を使った、新作ブーケ&アレンジメントをさまざまなバリエーションでお届けします。
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6月の花「ヒマワリ」
花芯が黒いヒマワリは‘サンリッチ ライチ’、八重咲きで花芯まで涼しげなレモンイエローもヒマワリで‘レモネード’という品種。ほかにバラ‘ブラッドオレンジ’、ケイトウ、グリーンフレークゼラニウム、テマリシモツケ‘ルテウス’を合わせ、夏の到来を間近に感じさせるブーケに。
藤野幸信/Yukinobu Fujino広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「フルール トレモロ」オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を終了後、花の道に進んだ異色の経歴。著書『大切な人への贈り花』も好評。 https://www.fleurs-tremolo.com @fleurstremolo
太陽を連想させる黄色だけでなく、涼しげな花色も続々登場!
壮大な一面ヒマワリの畑や、ヒマワリの巨大迷路で花が咲くのは、梅雨明け後の7月下旬〜8月中旬ごろ。広島県では世羅町にある「世羅高原農場」がヒマワリの名所として有名で、6万5000㎡の畑にさまざまな種類のヒマワリが約110万本も咲くのだそうです。一度その絶景を見てみたいと思っています。
さて、切り花のヒマワリは露地植えの開花より早く、4月末から出回ります。種類がいちばん豊富に揃うのは6月ごろ。ハウス栽培されるので秋から冬にかけても出回り、現在ではほぼ一年中入手できる花になっています。それでもヒマワリを見ると夏を連想する方が多く、6月〜8月の贈り花では、季節感を表現するのに欠かせない存在といえます。
千葉県南房総市の「折原園芸」さんから届いた‘サンリッチ’の3品種。オレンジ、レモン、マンゴーとフルーツの品種名なのが楽しい!「折原園芸」さんはハーブでも日本屈指の多品種生産者。個性豊かなハーブゼラニウムなど、頻繁に贈り花に利用させてもらっています。
切り花でよく出回るヒマワリの品種に‘サンリッチ’があります。花弁の色と花芯の色が微妙に異なり、品種名にオレンジやレモン、ライチなどフルーツ名が付けられているので、品種名を見ただけで楽しい気分に!その‘サンリッチ’を種類豊富に栽培しているのが千葉県南房総市にある「折原園芸」さんで、いつもクオリティの高いヒマワリを提供していただいています。
ヒマワリでバランスのよい贈り花を制作するうえで重要なのが花のサイズです。‘サンリッチ’は栽培方法により大輪、中輪と好みのサイズに仕上げることができますが、「折原園芸」さんの花は7〜8cmと小ぶりで、アレンジにもブーケにも加えやすく、使い勝手がよく分かっていらっしゃると、いつも感心させられます。
ヒマワリといえば、元気な黄色が思い浮かびますが、最近では白やレモン色など涼しげな花色、また少し赤みを帯びたアンティークな雰囲気の花色も登場し、色幅がぐっと広がり、ほかの花とも合わせやすくなっています。花弁がパッと開く花形は以前のまま変わらずよく目立つので、贈り花では堂々たる主役花として活躍してくれます。
ヒマワリを使ったブーケ&アレンジメント
ヒマワリ‘サンリッチ’の中でも気に入っているのが、花弁にシックな赤がさすライチという品種。赤みの入り方が時期によって、また花によって濃かったり薄かったりするのも表情豊かだと感じます。シャクヤク‘麒麟丸’、バラ‘オランジュリー’、「折原園芸」さんのローズゼラニウムを合わせてブーケに。退職される上司にスタッフからのお祝いの贈り花です。
‘サンリッチ’の中でも赤みを帯びた花色で人気のあるライチ。いままでのヒマワリにはないアンティークな雰囲気が魅力です。