連載「季節のクリッピング」7月 小暑(しょうしょ)・次候(じこう)
蓮始開(はすはじめてひらく)
選・文=平井正則(日本暦学会会長)夏至が過ぎても、日は高く明るい昼間が続きます。小暑・初候「温風至(あつかぜいたる)」に続く、本格的な夏の訪れを体感する季節です。1951年、千葉にある弥生時代の泥炭層から、植物学者の大賀一郎博士が蓮の種子を発見し、翌年見事に開花。世界中の話題となりました。今も千葉公園に「オオガハス」として引き継がれています。
「蓮始開(はすはじめてひらく)」七十二候小暑・次候(7月12日から16日)。泥水で育ち、真っ直ぐに伸びる蓮。早朝まるで「ポッ」と音がするように、一瞬で開花します。4日ほどの短命で儚く清らかなその花は、仏教では極楽浄土に咲く悟りの象徴として称えられます。
〈作品〉制作・撮影=岡本なう(洗濯バサミフォトグラファー)2ミリのアルミワイヤーを花の軸にして、花托の部分を木製の洗濯バサミ、おしべを金色の1ミリのアルミワイヤーで作り、その周りにプラスチックの洗濯バサミを16個挟ませて花弁とし、水たまりで撮影した。
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