連載「雨のことば」7月 洗車雨(せんしゃう)
文=矢部太郎(お笑いタレント・漫画家・気象予報士)
洗車雨とは七夕の前日に降る雨のこと。彦星が織姫との明日の逢瀬のために乗る牛車を洗う水が雨になって降るそうです。
ロマンチックでユーモラスな表現ですね。
大河ドラマ『光る君へ』でも、織姫と彦星のように主人公まひろと道長の運命の逢瀬が繰り返されます。実は僕も出演しております。撮影では本物の牛車が使われていて、かなりの大きさなので洗うには多くの水が要りそうです。実際に乗った俳優さんによると「けっこう乗り心地は良い」そうです。
翌日の七夕に降る雨は催涙雨と涙になぞらえられ、会えぬ悲しみの涙とも、別れの涙とも、年に一度の逢瀬が叶った嬉し涙とも言われます。
どれも同じ雨ですが、あなたにはどのように降るのでしょう。
この時季の雨のことば催涙雨(さいるいう)
天泣(てんきゅう)
天気雨(てんきあめ)
狐の嫁入り(きつねのよめいり)
・この連載の一覧へ>>