連載「郷土玩具の心意気」
7月 七夕人形〈長野県・松本〉
選・文=中村浩訳(日本郷土玩具の会会長)7月7日は七夕。天の川を挟んだ織姫と彦星が、1年に一度夜空で出会う日です。
その頃、信州の城下町の松本では、七夕人形を風通しの良い軒下に吊るして、スイカやキュウリなど瓜科の植物をお供えします。
風通しの良いところに吊るすのは、厄が吹き流され子どもが健やかに育つため。
瓜科の植物をお供えするのは、半分に切ると水分がいっぱい流れ、災いを流してくれるという願いからです。
松本地方では七夕人形を「七夕さま」と呼び、紙や木などで作ったり、子どもの着物を着せたりするなどいろいろな形式があります。
そして、アシナガ(足長)とかカータリ(川渡り)と呼ばれる足の長い木の人形も一緒に飾ります。
雨が降って織姫と彦星が天の川を渡れなくなった時、どちらかを背負って川を渡してくれるのです。
「紙びな(大)」、右から「織姫」「彦星」各縦約80センチ/ベラミ人形店
長野県松本市中央3-7-23
TEL:0263(33)1314
(営)10時~18時 水曜定休、不定休あり
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