〔特集〕グランシェフのご馳走カレー 暑い夏のご馳走といえば「カレー」ですが、そのスタイルは作り手によって十人十色。今回は日本を代表する3名(三國清三シェフ・脇屋友詞シェフ・日髙良実シェフ)のグランシェフに秘伝の技と隠し味をピリッときかせた、オリジナルのカレーレシピを教えていただきました。「2人には負けられないぞ!」とそれぞれのシェフが心を込めて生み出したバラエティ豊かなレシピは永久保存版。
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【日髙良美シェフ】
さっと作れるイタリアンカレー。縁の下の力持ちはトマト
「しっかりした身質で味がいい長崎・平戸のうちわ海老を香ばしく焼き、夏野菜のズッキーニと合わせてご馳走感のあるカレーに仕立てました。キドニービーンズのミートソースカレーは、イタリア人が大好きな豆のスープからの発想。地方によって豆の種類は変わってきますが、コクのある豆はカレーにするとまろやかでとてもおいしい。豚肉のほか牛や羊でも合いますよ」と日髙良実シェフ。
どちらも比較的短い時間で簡単にできる秘密は、たっぷり加えたホールトマトの底力ゆえ。イタリアンに欠かせないトマトのうまみを知り尽くしたシェフの技が光ります。
さらに、海老カレーにはナッツとレーズン入りのクスクスを。豆カレーにはパクチーとターメリックライスを添えて味の変化球を楽しみます。
素揚げにしたパクチーの根が香りや見た目のアクセントに
「キドニービーンズのミートソースカレー」
イタリアの豆のスープにインスパイアされたという、スパイシーなミートソースカレー。ひき肉と一体になった豆のピュレがルーにコクをプラスし、ターメリックライスとの相性も抜群。パンにも合いそう。カレーから飛び出したパクチーの根のインパクトたるや!
<材料・5、6人分>
キドニービーンズ(一晩、水でもどしたもの) 600グラム
豚ひき肉 1キロ
【A】玉ねぎ1個 セロリ1本 にんじん1/3本。すべてみじん切り
【B】クミン・コリアンダー・ターメリック すべてパウダー各10グラム
ホールトマト(缶詰) 400グラム
オリーブオイル 大さじ2
塩 適量
パクチー 適量
ターメリックライス米400 グラム
水 40ml強
玉ねぎ(みじん切り) 1/4個分
ターメリックパウダー 4グラム
<作り方> 柔らかく煮たキドニービーンズの半量は、ミキサーにかけてピュレに。カレーにコクととろみをもたらす。
(1)キドニービーンズは、塩少々を加えた湯で柔らかくなるまで煮る。半分はそのまま、もう半分はミキサーにゆで汁ごとかけてピュレ状にする(写真上)。
(2)フライパンにオリーブオイルを熱して【A】を入れ、甘くなるまで炒めて【B】を加えてよくなじませる。
(3)ひき肉を加えてさらに炒め、火が入ったらホールトマトを加える。沸騰したら水1L(材料外)を注いで半量になるくらいまで煮詰め、塩で味をととのえる。仕上げに、(1)の豆とピュレを加える。
(4)炊飯器に、ターメリック ライスの材料をすべて入 れて炊く。
(5)器に(3)を盛り、素揚げしたパクチーの根を飾り、パクチーの葉、(4)を添える。
日髙良実(ひだか・よしみ)1957年神戸市出身。東京・南青山「リストランテアクアパッツァ」オーナーシェフ。イタリアでの修業時に一番感動したカンパーニャ州の郷土料理・アクアパッツァを日本に広めた第一人者。YouTube公式レシピブック
『教えて日高シェフ!最強イタリアンの教科書』(世界文化社刊)も大好評。
YouTube「日高良実のACQUAPAZZAチャンネル」
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@bimi_kateigaho)でも発信中!
(次回へ続く。)