〔特集〕ミラノデザインウィーク探訪 ミラノサローネとは、「ミラノサローネ国際家具見本市」の通称です。年間わずか6日間の家具の見本市が、組織的には無関係のミラノ市内のデザインイベント「フォーリサローネ(サローネの外)」の活動を促し、「ミラノデザインウィーク」と呼ばれる“世界最高峰のデザインの祭典”を生み出すことになりました。ミラノがなぜ「世界のデザインの首都」になりえたのか。その答えを求めて、世界最大の家具見本市と世界のデザイン潮流を牽引するキーパーソンを探訪。その謎を紐解いていきます。
前回の記事はこちら>>・
特集「ミラノデザインウィーク探訪」の記事一覧はこちら>>>
【Kartell(カルテル)】
文化的で手頃(アフォーダブル)なラグジュアリーを創造
ユニークでモダンなアプローチで知られるカルテルは、イタリアデザイン界の革新と創造を象徴するブランド。環境配慮型ブランドに変革して以降、プラスチック以外の異素材にも目を向けドラスティクに変貌しています。
金属素材に着目することで、軽やかさとモダンを追求したハイレイシリーズ。ゆったりとしたプロポーションを備えたソファに、座り心地を向上させる厚いクッションが加わった。
昨年、金属素材のアウトドア家具「ハイレイ」をヒットに導いたルドヴィカ+ロベルト・パロンバ夫妻は、今回新作テーブル「アルバート」と椅子「ベルヴェデーレ」を発表。
ウィーンのベルヴェデーレ宮殿からインスピレーションを得た新作チェア「BELVEDERE(ベルヴェデーレ)」とルドヴィカ+ロベルト・パロンバ夫妻。
Ludovica + Roberto Palomba(ルドヴィカ+ロベルト・パロンバ)
ローマ大学で建築学を学び、1994年ミラノにデザイン事務所「THE PALOMBA-SERAFINI STUDIO」を設立。バスルーム、キッチンや、家具デザインを手がけ、多くの重要な賞を受賞。
デザインは古典的な構造からインスピレーションを得ているテーブル「ALBERT(アルバート)」。100%リサイクル可能なアルミニウムを採用。セラミックの表面は屋外での使用にも適し耐久性は高い。
「ポストコロナ以降、家庭回帰の潮流がある。長さ280センチの大きなテーブルは、新たな団欒の象徴として提案したものです。脚を少し曲げてあるのは、クラシックなものをアイコニックにモダンに作るのがカルテルの強みだから。また、カルテルは、“手頃(アフォーダブル)なラグジュアリー” を実現できる唯一の会社だと思う。ラグジュアリーとは価格の問題ではなく、文化の質をいいます」と協業を語ります。
「Kartell Milano Urban Horizons」をテーマにした会場構成では、ミラノの象徴的な建物や記念碑をグラフィカルにデザイン。
玩具のバービー×カルテルのコラボレーションから生まれたショッキングピンクの「マスターズ」。カルテルの遊び心を感じさせる。
トーヨーキッチンスタイル
https://www.toyokitchen.co.jp/(次回へ続く。
この特集の一覧>>)
取材協力:ミラノサローネ国際家具見本市
https://www.milanosalone.com/