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バッハから後世を生きる我々に贈られた至高のギフト『ミサ曲ロ短調』

2024.07.28

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クラシック音楽を楽しく学べるトリビアを毎日お届け。

クラシックソムリエが語る「名曲物語365」難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。連載一覧はこちら>>

第332回 J・S・バッハ『ミサ曲ロ短調』

イラスト/なめきみほ

イラスト/なめきみほ

後世を生きる我々に贈られた至高のギフト

今日7月28日は、J・S・バッハ(1685~1750)の命日です。

後期バロックを代表する作曲家にして、“音楽の父”とたたえられるバッハは、イタリア発の新たな様式が広まりつつあった時代においても終生中部ドイツに留まり続け、プロテスタント音楽の伝統を継承した音楽家でした。後世の音楽家に与えた影響の大きさは計りしれず、音楽史における重要性は、バッハの生前には想像もつかないほどの大きさとなっています。

そのバッハが残した200曲にも及ぶ『教会カンタータ』や、マタイ&ヨハネ『受難曲』などの偉大な宗教作品。それらのすべてが注ぎ込まれた作品と呼ばれる名作が『ミサ曲ロ短調』です。


熱心なプロテスタント信者であったバッハが、カトリック教会の声楽曲であるミサ曲を完成させたのは、バッハの死の前年に当たる1749年。バッハ64歳の年でした。宗教の垣根を越えて平和への祈りが高らかに歌い上げられるフィナーレは、まさに後世を生きる我々に贈られた素晴らしいギフトのようです。


田中 泰/Yasushi Tanaka
一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。
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