〔特集〕松岡修造さんが届ける2024夏 パリの情熱 いつの時代も人々の憧憬の的である美しい街、パリ。世界の注目がますます集まるこの夏に向けて、今、さらなる開花の時を迎えています。エレガントでエネルギー溢れる最旬のパリを松岡修造さんが熱い想いとともに案内します。
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パリ副市長 ピエール・ラバダンさんに聞いた、2024年パリの挑戦
歴史の重みを感じるパリ市庁舎。ステンドグラスの窓と大理石の床が美しいこのフロアで二人の対談が実現。時間を忘れてしまうくらい、ラバダンさんは松岡さんに多くのことを熱く語った。
Pierre Rabadan(ピエール・ラバダン)パリ副市長(スポーツ、五輪、セーヌ川担当)。1980年エクサンプロヴァンス生まれ。ラグビー選手として、スタッド・フランセ・パリのキャプテン、フランス代表チーム等で活躍した後、2020年6月パリ市議に選出。同年7月から現職。
「私たちが創造している新しいモデルがレガシーになります」── ラバダンさん
松岡さんがパリでぜひ会いたかった人の一人が、ピエール・ラバダンさんです。二人には国を代表するアスリートとして活躍した後、鮮やかな転身を果たしたという共通点があります。
ラバダンさんの現在の仕事場はパリ市庁舎。アンヌ・イダルゴ市長が大いに信頼を寄せる人物で、この夏に向けて進化を遂げたパリのキーパーソンです。
松岡さんが一つ質問をするたびに、「新しいパリ」のためにラバダンさんが注いできた情熱が溢れ出します。
「2024年夏というデッドラインがあったからこそ、パリの公共政策が促進されました。10年、15年かかる変化が、この数年で一気に実現しているのです。スポーツ施設や大学の建築・改装、交通機関や道路の整備、自転車専用道の大規模な延長……。なかでも、セーヌ川を浄化して泳げる川にすることが象徴的です」
「パリへの情熱の塊のような人ですね。少し羨ましいです」── 松岡さん
「この夏、あらゆるスポーツシーンでパリを感じることができますね」(松岡さん)。「アスリートにとっても、世界中でそれを見ている人にとっても特別な体験になるはずです」(ラバダンさん)。
「ラバダンさんは実際に泳ぎますか?」と松岡さんが尋ねると、「去年の夏に泳ぎました」と即答。
「2024年以降も市内3か所に夏の間スイミングゾーンを設ける予定です。そもそもパリはセーヌ川のほとりに発祥した街で、人と水との繫がりがありました。それを再び取り戻そうと試みているのです」。
その情熱に夏への期待がさらに高まる松岡さん。
「歴史的な建物や街の空気がスポーツと融合したときに何が生まれるのか。そのためにみんなで作り上げている。ラバダンさんは今まさに『ワン・フォー・オール、オール・フォー・ワン』の中心にいると感じます」。
Hôtel de Ville de Paris(パリ市庁舎)Place de L'Hôtel de Ville75004 Paris
ネオ・ルネサンス様式の壮麗な歴史的建造物。リヴォリ通り側の一部がブティックとなりオリジナルグッズが販売されている。市庁舎内部は見学不可で「ヨーロッパ文化遺産の日」のみ一般公開予定。