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[カルティエ]NATURE SAUVAGE 優美なる 野生の目覚め

2024.07.12 | PR

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重厚なバロック様式と軽やかなモダンさが美しく共存する、芸術の都ウィーン。
その歴史的建造物を舞台にして「カルティエ」が最新作を発表しました。それはどこまで高貴な動物たちが生み出す、ドラマティックな生命のスペクタクル。ハイジュエリーコレクション「ナチュール ソヴァージュ」の美学とは。そこに隠された技とは──

息づかいまで感じるような胸もとを忍び歩くパンテール

息づかいまで感じるような
胸もとを忍び歩くパンテール

白い毛皮の雪豹が歩むのは凍てつく湖か、それとも流氷の浮かぶ冬の海か。水面に浮かぶ氷を表すのはカイトシェイプダイヤモンド。極めて透明度の高いダイヤモンドだけを厳選して使用し、その周囲をロッククリスタルで縁取っています。立体感あふれる雪豹の姿は今にも歩き出しそうなほどリアル。頭部は濃いブルー、尻尾は淡いブルーのサファイアで斑点に変化をつけているのもメゾンのこだわり。

「パンテール デ グラス」ネックレス(WG×ダイヤモンド約19ct×ロッククリスタル39.38ct×ブルーサファイア×オニキス)6億4020万円(参考価格)/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)

用心深く獲物に向かって動きだそうとしているパンテール

用心深く獲物に向かって動きだそうとしているパンテールの精悍な顔つきも見事に表現。筋肉の動きを立体感だけでなく、ブルーサファイアの斑点の大きさや色の濃淡でも表現している、サヴォアフェールが発揮された逸品です。

雄大な大自然の中で休らう様式化されたフラミンゴ

雄大な大自然の中で休らう
様式化されたフラミンゴ

水辺に茂る葦に隠れるようにして佇む1羽の鳥。メゾンの歴史的モチーフ、フラミンゴの大胆な再解釈です。大粒のアクアマリンは豊かな水をシンボライズ。葦を表すエメラルドはインクルージョンのあるほぼ原石のままの状態で、それらを留めるために特別なセッティングが開発されました。カルティエが長年大切にしてきたブルーとグリーンの色彩も効果的に。製作には約1300時間が費やされました。

「セレスタン」ネックレス(GreyPT×WG×PG×アクアマリン38.5ct×エメラルド計19.8ct×アクアマリンビーズ計13.2ct×ダイヤモンド約21ct×ブラックラッカー)2億6268万円(参考価格)/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)

ナチュラルなラフエメラルドで表現された、風で波立つ葦の原っぱの中に擬態化したようなフラミンゴ。

エメラルドで表現された、風で波立つ葦の原っぱの中に擬態化したようなフラミンゴ。優美なネックラインの先に、ピンクゴールドとブラックラッカーの口ばしがのぞきます。

作品に生命を吹き込む
サヴォアフェールの追求

この5月にヴェールを脱いだ「カルティエ」のハイジュエリーコレクション「ナチュール ソヴァージュ」。大自然を賛美し、多様な動物たちが煌めきを纏って次々と登場するこのコレクションは、瑞々しい具象表現と様式化された表現とが交錯し、鮮烈な印象を残します。特筆すべきは、多くのピースで宝石彫刻や特別な宝石の研磨など、高度に専門的な技術が必要とされたこと。伝統的な技法に加えて、クリエイションをさらに進化させるための革新的な挑戦も行われ、サヴォアフェール(芸術の域に達した職人の手仕事)が惜しみなく注ぎ込まれているのです。あまりにもシンボリックなパンテール、ウィンザー公爵夫人に愛されたフラミンゴ、アールデコ期に一世を風靡したドラゴン……。メゾンにゆかりのあるエレガントな動物たちは新たな美が与えられ、永遠の時を生き始めます。

グラフィカルに仕立てられたミステリアスな龍の姿態

グラフィカルに仕立てられた
ミステリアスな龍の姿態

モチーフとなったのは西洋のドラゴンではなく、日本の神話や美術工芸に登場する“龍”。エメラルドの瞳がセンシュアルに輝き、モザンビーク産の上質なルビーが鮮やかな色彩のアクセントを添えています。龍の頭部が写実的に描かれていながらも、胴体は様式化された幾何学模様になっていて、軽やかさを感じさせるのが特徴です。

「タツ」ネックレス(WG×ダイヤモンド25.3ct×ルビー6.05ct×エメラルド×オニキス)4億4880万円イヤリング(WG×ダイヤモンド×ルビー×オニキス)6204万円(ともに参考価格)/ともにカルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)

猛々しく体をくねらせ、空から降臨する龍。

猛々しく体をくねらせ、空から降臨する龍。その光輝くウロコを、扇形のようなパターンの重なりで表現しています。ブラックエナメルと赤の斑点がオリエンタルなムードを添えて。

手の上で戯れるかのようなパンテールの新しい表現

手の上で戯れるかのような
パンテールの新しい表現

手首にまとわりつきながら、すらりとした身体を伸ばして指にふれようとするパンテール。ブレスレットとリングが一体化して手全体を飾るデザインは、これまでになく斬新です。首下には8.63ctのシュガーローフカットのエメラルド。斑点のブルーサファイアを留めるのは、豹の毛並みを表すペラージュセッティングで。肌にフィットさせるため、多数のパーツをジョイントして柔軟に仕上げているのもポイント。

「パンテール ジャイサント」ブレスレット/リング(WG×ダイヤモンド28.12ct×エメラルド8.63ct×ブルーサファイア×エメラルド×オニキス)2億8116万円(参考価格)/カルティエ(カルティエ カスタマー サービスセンター)

8.63カラットのシュガーローフカットのエメラルド。

8.63カラットのシュガーローフカットのエメラルド。その宝を守り人のように懐に抱くパンテール。メゾンのアイコンであるパンテールも、ブレスレットとリングが連結したデザインは希少。

「ハイジュエリーはひとりでは作れません。 多岐にわたる最高のサヴォアフェールがアトリエに集約されていること。それこそが重要なのです」

アトリエでは今、何が起きているのでしょうか。そこに働く職人たちの矜持とは?
ハイジュエリーメイキングを指揮するアレクサ・アビトボルさんにうかがいました。

アトリエでは今、何が起きているのでしょうか。そこに働く職人たちの矜持とは? ハイジュエリーメイキングを指揮するアレクサ・アビトボルさんにうかがいました。「今回のコレクションは約90点ありますが、3分の1は、リアルな具象表現が必要とされるデザインです」と語るアレクサさん。彼女は、カルティエのハイジュエリー工房で職人たちを統括する立場にあります。「動物モチーフはメゾンにとって重要な位置を占めていますが、その難しさは、デザイナーの描いたドローイングを立体に変換することにあります。ドローイングは実寸大で緻密に描き込まれていますが、私たちはそれを3Dのボリュームに解釈しなければなりません。完成したピースをドローイングの上に置いても、それらが寸分違わないように仕立てるのはとても困難な作業です」新作のうち、最も手間のかかったのは氷上を雪豹が歩く「パンテール デ グラス」で約3000時間が費やされました。平面のドローイングを立体化するにあたり、原型を彫刻する職人とデザイナーとの間で何週間も話し合いが続いたそう。

「氷の世界から出て行こうとするパンテールの決意を表現してほしいと、デザイナーはいいました。造形をリアルにするだけでなく、何かを成し遂げようとする強い意志を感じさせてほしいというのです。ネックレスをよく見るとパンテールの肢体が緊張しているのがわかるでしょう。つまり、筋肉の一瞬の動きをとらえているのです」

ドローイングに忠実に立体化されたパンテールの原型。
ワックスを彫塑したこの原型を使って鋳造し、ホワイトゴールドのパンテールを仕立てます。

ハイジュエリーの製作には、このほか、鋳造を担当する職人、貴金属を加工する職人、ストーンセッティングの職人、ラピデールという宝石研磨職人、宝石の彫刻を専門とするグリプティシアンと呼ばれる職人など、驚くほど多岐にわたる職能の人々がかかわっています。「パンテール デ グラス」では、ロッククリスタルをデザインどおりに研磨し、中にカイト(凧)シェイプのダイヤモンドをセットする細工に600時間を費やしたとか。「精度が求められる難しい作業です。コンマ1ミリでもダイヤモンドが傾いてセットされたら、正しい光の効果が得られませんし、パンテールの顔の角度が1ミリ違えば、笑顔が嘆きの表情になってしまうこともありますから。斑点も、濃淡のブルーサファイアを一つ一つ手作業でオリジナルな形状に研磨しています。チームで一つのピースを作り上げるのです」さらに今回の特徴は、まるで動物たちがかくれんぼをしているような視覚的な遊びをデザインに取り入れたこと。「セレスタン」では、様式化されたパターンにフラミンゴが溶け込んでいます。

「こちらのネックレス(上)には約72カラットものルベライトがあしらわれていますが、そのすぐ上に、わかりますか?
トーチュ(亀)が隠れているんです。これを取り外せばブローチとして使えます。継ぎ目や留め金が表から見えないので気づかないでしょう。カルティエでは、美しさに機能的な構造が隠されていることが大事なのです」

まるでオーケストラのように多くの人々が集まって、ハーモニーを奏でてゆくハイジュエリーメイキングの現場。「職人たちは皆、持てる技術のすべてを作品に注ぎ込み、自分の作品だという意識で携わっています。そう、カルティエのアトリエは芸術家たちの共同体なのです」

三重構造になった中央のガラスにダイヤモンドをちりばめたネックレス。光を当てると影の中にパンテールの頭部が浮き出る。

Alexa Abitbol

「カルティエ」ハイジュエリー
ワークショップ ディレクター

1983年、モロッコ生まれ。カルティエでハイジュエリー工房の
責任者など重職を歴任。
現在、彼女のもとで230人の
スタッフと職人が働いています。

Alexa Abitbol

野生の動植物が息づく自然の
神秘をテーマにした
エキシビション in ウィーン

皇帝フランツ・ヨーゼフが建設、1891年開館の、世界に知られる「美術史美術館」にて行われたエキシビションでは、新作のほか、既存のコレクション約120点を展示。“人の手で作られた自然”がモチーフの斬新なディスプレイも印象的でした。

エキシビションの展示はハイジュエリーの新作、定番、ウォッチ、スペシャルオーダースペースなど多岐にわたり、カルティエの底力を披露。
写真は"CLASSIC"のエリア。

Chapter 3 Shapes Of Water

風との戯れ──熟練の職人たちにより、本物の枝木を使ったサバンナが出現。
来場者の驚きを誘いました。ショーケースの中に煌めくパンテール、シマウマ、
キリンたちが潜む草原を揺らす風を感じるよう。手編みのアーチも圧巻。

Chapter 3 Shapes Of Water

大地の宝──火山を思わせる茶褐色の塗り壁の中に隠され、林立した石の
ブロックにカモフラージュするように並んだジュエリー。曲線を描くフロアは地表を
水が流れているかのよう。原石を育んだ壮大な地球が表現されています。

Chapter 3 Shapes Of Water

水の形──サバンナ、そして溶岩台地を抜けて行きつくのは、沼地を抽象的に
表現した深いグリーンの世界。透明なレジンを使った水柱、水面を波打つような
セラドンの壁。そこに息づく動物たち。幻想的な異空間に没入した感覚に。

“SHAPES OF WATER”エリアから。「TANABATA」と名づけられたネックレス。センターはTYPE2、最高グレードの37.27ctのダイヤモンド。

「NATURE SAUVAGE」コレクションのキーピースの一つ「KOAGA」。カルティエのクリエイションにたびたび登場するシマウマを様式的に表現。口にくわえているのは、エメラルドカットのダイヤモンドと6.25ctのルベライト。

撮影/Fumito Shibasaki〈Donna〉 文/本間恵子 協力/大島 泉

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