バイオフィルムを徹底除去
歯や歯肉を傷めず、効果的にクリーニング
バイオフィルムはプラーク、歯垢のことで、歯周病や虫歯の原因になります。歯磨きのようなセルフケアでは完全には取れません。そのため、バイオフィルムが固まった歯石とともに、歯科の治療で除去します。
「ただ、歯科で歯周治療の一環として行われている歯石の除去を繰り返すと、実は歯の表面を削ってしまうことがあります。そこで当院では歯の表面にやさしいバイオフィルム除去療法を採用しています」と菅野先生。
山口さんに歯ブラシ選びのアドバイスを受ける相田さん。
このバイオフィルム除去療法は、“歯科衛生士の技量による差が生まれやすい歯石の除去を、効果的な方法に標準化する必要がある”という見地からスイスで誕生しました。この療法を採用している歯科医院ではトレーニングを受けた歯科衛生士が対応します。
歯石を取るときに使う先端が尖った器具が怖い人もいるかもしれません。バイオフィルム除去療法ではそのような器具を使わず、バイオフィルムや歯の沈着物を特殊な粒子を吹きつけて除去します。
そもそもバイオフィルムって何?
口腔内にいる細菌などの微生物とその産物が形成する薄い膜の総称。歯垢やプラークとも呼ばれる。歯の表面や歯周ポケットなどにバイオフィルムができると虫歯や歯周病の原因になる。バイオフィルムがカルシウムなどを含み、固まってしまったのが歯石。この中には生きた細菌は含まれないため歯石そのものには病原性はない。
バイオフィルム除去療法(GBT)
(1)歯肉の状態の評価(2)染め出しでバイオフィルムを見える化(3)歯肉の状態や必要なケアについての情報提供(4)温水と特殊なパウダーでバイオフィルムを除去(5)歯石を低侵襲の超音波振動で除去(6)バイオフィルムが除去されたことを確認(7)個々の患者の状況に応じて次回来院の間隔を決定 染め出しでバイオフィルムの付着状態を見える化し、施術後に除去されたことを確認する。
一台の機器でアタッチメントを替えて施術。1時間ほどで終了。麻布台西堀歯科では1万8000円。
バイオフィルム除去療法を受けられる歯科医院「search location」の欄に調べたい地名をローマ字で入力してください。
バイオフィルム除去療法を動画でチェックバイオフィルム除去療法の予防的な意義や効果、施術のステップをわかりやすく解説する動画をYouTubeで見ることができます。
(次回へ続く)
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