「口腔ケア」で病気知らずの体へ 第4回 歯周病の、全身への影響が注目されています。病気知らずの若々しさは口の中の健康から──。お悩み別の磨き方と歯ブラシ選びも、今日からさっそくお役立てください。
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【あなたの歯に合わせた】お悩み別の磨き方Q&A
答えてくれた方は──菅野文雄先生 1987年東京歯科大学卒業。同年慶應義塾大学病院口腔外科学講座入局。2003年ペンシルベニア大学大学院歯周科修了。慶應義塾大学医学部歯科口腔外科非常勤講師、米国歯周病学会認定医、日本臨床歯周病学会認定医。
歯科衛生士 山口 凜さん 2020年、新東京歯科衛生士学校卒業。同年六本木ヒルズ西堀歯科勤務。23年、麻布台西堀歯科の主任衛生士に就任。
Q 小さい頃から虫歯になりやすい
A 「歯並びや食事内容に加え、生まれ持った歯の質も虫歯のなりやすさに関係します。歯科衛生士に口腔ケアの指導をしてもらうとともに、定期的に虫歯の有無をチェックすることが大事です。加齢によって歯肉が下がって表面に出た部分の根面の虫歯も増えてきます。根面の虫歯は治療しにくいため、今からよい口腔ケアを身につけていただきたいと思います」(菅野先生)。
Q 甘いものが好きでやめられません
A 「おやつの時間を決めて食べた後に軽く歯磨きをしていただきたいですね。口寂しいときには虫歯を防ぐキシリトールの含有量が多いお菓子を食べるのも一つの方法です。前述の、虫歯になりやすい方にも甘いもの好きの方にもフッ素入りの歯磨き剤や洗口液をおすすめします」(山口さん)。
Q 家族に歯ぎしりをしているといわれます
A 「奥歯の嚙み合わせ部分がすり減っている方には歯ぎしりやストレスなどによる嚙み締めがあるかもしれません。これらは歯周病を悪化させる原因にもなります。歯科で歯のすり減りの状態をみてもらい、顎関節症を伴う場合には保険でマウスピースを作ることもできます。マウスピースには歯や顎関節の負担を軽減するメリットがあります」(山口さん)。
Q 食べ物がしみる部位があり、知覚過敏になったようです
A 「知覚過敏だと思っていたら、実は虫歯だったというケースもありますので、一度は歯科で診察を受けるほうがよいと思います。歯科衛生士に知覚過敏を和らげる処置をしてもらうこともできます。
歯を磨くときに力を入れすぎている、あるいは磨く回数が多すぎる、歯ブラシが硬いなどの理由でだんだん歯肉が下がり、知覚過敏になってしまった場合には、歯科衛生士に磨き方や歯ブラシの硬さをチェックしてもらうだけで改善することもあります。知覚過敏用の歯磨き剤も効果が期待できますので、おすすめしています」(山口さん)。