〔特集〕松岡修造さんが届ける2024夏 パリの情熱 いつの時代も人々の憧憬の的である美しい街、パリ。世界の注目がますます集まるこの夏に向けて、今、さらなる開花の時を迎えています。エレガントでエネルギー溢れる最旬のパリを松岡修造さんが熱い想いとともに案内します。
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左岸初のパラスホテルが誕生【ホテル ルテシア パリ】
アールヌーヴォーとアールデコの時代の建築遺産として国の歴史的建造物にも指定されている、左岸のシンボル的ホテル。1910年開業。2018年改装オープン、翌年「パラス」に認定される。
伝統の意匠と現代作家によるステンドグラスの天井が融合するダイニング「ル・サンジェルマン」。ホテルのゲストはもちろん、サンジェルマンデプレ界隈の常連客たちにも愛されている。
「ル・サンジェルマン」では昼前から夜まで食事が可能。奥のオマール海老とキャヴィアはシグネチャーの一つ。手前は季節の一品、ホタテのカルパッチョ。
チョコレートでできたホテルのマスコット「Lulu(ルル)」。
今まさにパリの新しい文化を育んでいるホテル
Jean-Pierre Trévisan(ジャン=ピエール・トレヴィザン)
ホテル「ジョルジュサンク」「リッツ」「クリヨン」等での要職を経て、2021年から現職。パリのホテル界を代表する人物であると同時に、ポッドキャストで音楽番組を担当していたほどの音楽通としても知られている。
右岸のパラス級ホテルでキャリアを重ね、複数のホテルのリニューアルオープンを手がけた後、2021年に左岸の「ホテル ルテシア パリ」総支配人に抜擢されたジャン=ピエール・トレヴィザンさんはまず言います。
「ルテシアは最もパリらしいホテルです」。
地元のパリジャンを惹きつける場であること。アーティスト、作家、音楽家、映画人、編集者たちが集い、パリ独特の文化が醸成されてきた場所なのです。
例えば「バー ジョゼフィーヌ」で、世界的に有名なミュージシャンのライブに遭遇することがあります。
美しく甦ったアールデコ期のフレスコ画と10メートルの大理石カウンターが圧巻のバー
毎日17時に扉が開くグランドフロアの「バー ジョゼフィーヌ」。木曜~土曜の19時からは多彩なアーティストによるライブ演奏が始まる。
ある時はフランス人におなじみの女優が目の前で歌っていることも。そんなステレオタイプではないライブ感がこのホテルにはあります。
1940年代、衝撃的だったジャズのパリへの到来がまずサンジェルマンデプレだったように、新しい何かがここから生まれる。そんな期待を抱かせるホテルです。
松岡さんの滞在中の印象の一つが、「大理石をふんだんに使った内装がとても近代的で贅沢」というものでした。
部屋全体にアート作品が飾られたホテル最大のスイートルーム
「プレジデンシャル・スイート」の内装は、左岸の美術商、骨董商らのアソシエーション「キャレ・リヴ・ゴーシュ」とのコラボレーション。
ホテル全体が光をまとって生まれ変わった大改装は建築家ジャン=ミシェル・ヴィルモットによるもの。
「カッラーラの大理石の中でも特に上質の石が使われています。それが明るさをもたらし、パリのアパルトマンを思わせる木組みの床が落ち着きを添えます」と、トレヴィザンさんは語ります。
確かに、客室にはサンジェルマンの住まいという雰囲気があります。
「ジョゼフィーヌ・ベーカー」「コッポラ」「イザベル・ユペール」などゆかりの人々にちなんだシグネチャースイートをはじめ、パーソナリティを感じる各客室の随所にアートピースがある。
「洗練されたサービスと空間を実現するために、私たちは日々膨大な時間とエネルギーを注いでいます。それはパッションがなければできない仕事。私は本当にこの仕事が好き。人生のすべてです」とトレヴィザンさん。
奥様と出会ったのもこのルテシアと聞けば、彼がこのホテルに寄せる格別の思いが、さらに熱を帯びて伝わってきます。
ウォークインクローゼットの奥は、プライベートジムのコーナー。パリの屋根を眺めながらエクササイズ。
バスルームにも作品が。
Hotel Lutetia Paris(ホテル ルテシア パリ)45 boulevard Raspail 75006 Paris
TEL:+33(0)1 49 54 46 00
客室料金1500ユーロ~、「プレジデンシャル・スイート キャレ・リヴ・ゴーシュ ウィズ テラス」1万2000ユーロ~
「バー ジョゼフィーヌ」(17時~25時 木曜~土曜19時~22時生演奏あり。カクテル25ユーロ~)
「ル・サンジェルマン」(9時~22時)
※1ユーロ=約169.92円(2024年6月6日現在)
※営業時間、定休日、商品、サービス内容、料金やメニュー等は時期により変更になる場合があります。
※別途サービス料や税金がかかります。(次回へ続く。
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