夏を思いきり堪能するために、日常とは少し違ったゆかたで過ごす一日を。ゆかたが普及した江戸時代、江戸っ子は汗でしっとりするたび何度もゆかたを取り替えて、その着こなしを楽しんだとか。洒脱な柄や、男もの2反を片身替わりに仕立てた粋な7枚を元卓球選手の石川佳純さんが、自由に楽しく纏いました。
石川佳純さんのゆかたをフォトギャラリーで見る>>いなせな荒磯文様で気分を上げて江戸小紋の老舗「竺仙」が手がける茶綿木綿地に、激流に踊る鯉を染めた一枚。鯉が川を上り、やがて竜になるという中国の故事から生まれた吉祥文様が、勢いと若々しさを感じさせます。張りのある質感でさらりと着心地がよく、ざっくりとした素朴な風合いと、茶色地に藍を重ねることで生まれる奥深い色合いも魅力です。ゆかた9万1300円(反物価格)/野田呉服店 帯/竺仙
二反を一枚に仕立てる夏の贅沢
縁起のよい蝙蝠(こうもり)と格子できりりと伊達に大きな刷毛で一息に描いたような格子柄に、大小の蝙蝠を飛ばした紺地を合わせた片身替わりのゆかた。蝙蝠は長寿や幸福のシンボルとして、江戸時代よりきものの柄に多く用いられてきました。しなやかなコーマ生地は型くずれしにくいことも特徴の一つ。洒落たデザインの多い男ものの中から選んだ、夏の遊び着らしい一枚です。ゆかた12万6500円(仕立て上がり)、帯/竺仙
地色のコントラストが唯一無二の魅力を放つ同じ糸菊文様で地色違いの2反を上半身と下半身で分けて華やかに仕立てました。袖も右が紺地、左は白地になっており、可憐な色の帯ともよく合います。清楚な日傘やあけびの蔓で編んだ夏らしい籠バッグを片手に、ほかにはないユニークなデザインを楽しんで。ゆかた12万5400円(仕立て上がり)/竺仙 帯/スタイリスト私物籠バッグ6万6550円/家庭画報ショッピングサロン 日傘、下駄/銀座ぜん屋本店