石川佳純さんインタビュー「スポーツの楽しさを全力で伝えていきたい」
7歳で卓球を始めると、瞬く間に才能を開花させ、中学生のときには国際大会で活躍していた石川佳純さん。海外へ出たことでほかの国のよさを知るとともに、日本の素晴らしさを再認識したといいます。
「その一つがきものです。ヨーロッパの選手に『学校にはきもので通っているの?』と聞かれてびっくりしたことがあるのですが(笑)、海外の人にとって日本といえばきものなんだな、大切な伝統文化なんだなと気づかされました。きものは、着ると背すじも気持ちもしゃんとして、仕草がおしとやかになるところが好きです」と楽しそうに話します。
この日7枚ものゆかたを纏った石川さんですが、疲れた様子は一切見せず、スタッフに表情やポーズを褒められると、「やった!」と歓声を上げるなど、終始明るく快活でチャーミング。
「お洒落なゆかたをたくさん着させていただき、新鮮で貴重な経験ができました。特に気に入ったのはとんぼ柄のもの。着たことのない色でしたが、意外に似合うかもと嬉しくなりました」。
そう声を弾ませた石川さんにとって、ゆかたは幼い日の幸せな記憶を呼び起こすもの。「卓球を始める前はよく、ゆかたを着て家族と夏祭りへ出かけていました。これからまた、ゆかた姿でお祭りや花火大会を楽しみたいです」。
2022年にスタートした「石川佳純47都道府県サンクスツアー」は、応援してくれた皆さんへの感謝とともに、子どもたちにスポーツをする楽しさや、目標に向かってがんばることの面白さを伝えるのが目的です。「自分が卓球に出合って人生が豊かになったと感じているので。残り20か所、必ず完走します」。
もう一つ、石川さんの目下の一大ミッションが、パリ五輪のスペシャルキャスター。「選手の皆さんの魅力やオリンピックの楽しさを全力で伝えていきます」と意気込みます。3大会連続で五輪に出場し、メダリストに輝いた石川さんならではの視点と言葉で、4年に1度の祭典を盛り上げてくれることでしょう。
白地の綿絽地に蝶が優雅に飛ぶシンプルモダンな意匠。夏の日差しに袖や裾が透けて、涼しげに着られます。ゆかた5万6100円(反物価格)/銀座もとじ 帯/竺仙
石川佳純1993年山口県生まれ。両親の影響で卓球を始める。全日本選手権ジュニア4連覇、インターハイ3連覇。五輪(団体)では2012年ロンドン大会で銀、16年リオ大会で銅、21年東京大会で銀メダルを獲得。17年の世界選手権では混合ダブルスで金メダルに輝く。23年5月に現役引退を発表。現在「石川佳純47都道府県サンクスツアー」を開催中。パリ五輪ではフジテレビ系のスペシャルキャスターを務める。