周辺取材から見えてきた、世界王者・橋本大輝、強さの秘密とその素顔
「絶対的エース」、「裏表がない好青年」、「人を素直に応援できる」──みんな大好き、橋本大輝選手。日々、橋本選手と接している皆さんに行った周辺取材から見えてきた、その素顔とは?
指導者や後輩たちが語る橋本大輝選手の魅力
橋本選手が“恩師”と慕う人格者
神田眞司さん(船橋市立船橋高等学校体操部総監督)
写真提供/神田眞司さん
大輝の体操を初めて見たのは、中学生のとき。ひと目見て「この瞬発力はすごい。粗削りだけど、この子はきっと代表になる」と思いました。それがご縁で、私が監督をしていた市立船橋高等学校に入学してきたんです。入部した頃の実力は同級生の中で4番目。でも1年生の6月、国体予選の補欠に選ばれたことが自信になったんでしょうね。覚醒するきっかけになったと思います。大輝の、体操への探究心は尽きることがありません。パリ五輪も通過点。さらに進化していくと思うと楽しみです。
Shinji Kanda
千葉県生まれ。習志野高等学校、順天堂大学卒業。船橋市立船橋高等学校で指導を始めて20年目。セントラルスポーツアドバイザー。市立船橋高等学校時代の1枚。右から神田さん、高校3年時の橋本選手、現・監督の大竹秀一さん。
順天堂大学で指導した、アテネ五輪金メダリスト
冨田洋之さん橋本は本当に体操が好きです。体操の技術や知識の吸収に貪欲だし、新しい技への挑戦もためらいません。空中感覚も鋭い。空中での自分の体の動きを理解し、それを言語化する能力にも長けています。橋本は全力で人を応援できるので、彼がいるといいチームになるんです。パリでもまずは自分のやりたい体操を楽しんできてほしいですね。
Hiroyuki Tomita
1980年大阪府生まれ。洛南高等学校、順天堂大学卒業、同大学院修了。同大学体操競技部監督。2004年アテネ五輪団体金メダル。
世界王者に続け! 大学の後輩たち
日髙大輝主将(4年・右)+ 谷田雅治選手(2年・左)(日髙主将)大輝さんから順天堂大学体操競技部主将を引き継いだのですが、全日本インカレ4連覇に続く5連覇が目標です。(谷田選手)大輝さんは自分の練習中でも、皆に的確なアドバイスをくれた。まずは追いつき、ゆくゆくは追い抜けるようにもっと勉強させてもらいたいです。
Daiki Hidaka(右)
市立船橋高等学校卒業。順天堂大学4年、体操競技部主将。
Masaharu Tanida(左)
作新学院高等学校卒業。順天堂大学2年。
体操を楽しむことが上達の近道
齋藤良宏さん(セントラルスポーツ体操競技部監督) 写真提供/セントラルスポーツ
橋本選手が所属していた市立船橋高等学校、順天堂大学、セントラルスポーツには「体操は楽しい」と心底思える指導の土壌があります。今後、橋本選手にとってプレッシャーがかかる展開になったとき、培われてきた体操への思いと自律心が踏ん張る力になると信じています。
Yoshihiro Saito
1976年京都府生まれ。埼玉栄高等学校、順天堂大学卒業、同大学院修了。シドニー五輪出場。