松岡修造さんが熱い想いで取材！　パリ・ノートルダム大聖堂復活への道

〔特集〕松岡修造さんが届ける2024夏　パリの情熱　いつの時代も人々の憧憬の的である美しい街、パリ。世界の注目がますます集まるこの夏に向けて、今、さらなる開花の時を迎えています。エレガントでエネルギー溢れる最旬のパリを松岡修造さんが熱い想いとともに案内します。前回の記事はこちら＞＞

・特集「松岡修造、パリの情熱」の記事一覧はこちら＞＞＞

---

復興プロジェクト最高責任者 フィリップ・ジョストさんに聞いた「ノートルダム大聖堂 復活への道」

大聖堂に隣接する仮設建築が復興作業に携わる人たちの基地。建物の屋上に立つと、膨大な足場に覆われた大聖堂が迫ってくるような圧倒的なパワーを感じる。「ここで昼食を作るスタッフも含め、全員がアドベンチャースピリットを持っています。プロジェクトには挑戦、意味、美があります。それによって人は幸福になり、進歩できる “美” はとても大事。“美” のために仕事をしているのは幸福です」（ジョストさん）。「それこそまさに “ノートルダムスピリット” ですね！」（松岡さん）。

Philippe Jost（フィリップ・ジョスト）
「ノートルダム大聖堂保存・修復公的機関」プレジデント。1960年パリ生まれ。フランス国防省装備総局勤務を経て2019年12月からノートルダム復興プロジェクトへ参画。2023年9月、マクロン大統領（左）より現職に任命。写真／代表撮影 / ロイター / アフロ

「誇りと喜びに満ちた挑戦。力を結集すれば美を成しえるのです」── ジョストさん

「2019年に起きた火災の映像をとても辛い思いで見ていました。今日実際に訪れてみて、ここまで復興が進んでいることに驚きました」。

松岡さんは、復興プロジェクト最高責任者、フィリップ・ジョストさんに会ってまずこう語りかけました。

焼け落ちた尖塔も再建され、2024年12月の再開へ向けて着々と工事が進むノートルダム大聖堂。囲いの内側は一般立ち入りが禁止だが、松岡さんは今回特別に大聖堂の東側にある復興プロジェクトの拠点を訪れた。

「火災の夜、『ノートルダムを再建する』とマクロン大統領が宣言しました。15年、20年はかかるという声がありましたが、火災の２日後に、彼が５年と明言したことがとても大きいです。大統領が明確な目標を示したことによって、あらゆる力が結集しました。信じられないほどの寄付のムーブメントが起こり、たちまち8億4600万ユーロが集まりました。そして大聖堂復興プロジェクトが立ち上がったのです。私たちの国には多くの歴史遺産があり、それを修復してきたスキルも材料もすべて揃っています。絶え間なく問題に直面しますが、その度に皆が一緒になって解決法を探します。これはチームで取り組む挑戦です」

「新しいノートルダムが私たちみんなに幸運と希望をくれます」── 松岡さん

対談の途中、松岡さんにスマートフォンの写真をそっと見せるジョストさん。地下で新たに発見された13世紀の彫刻や、美しく甦った内陣の写真に驚きの声を上げる松岡さん。

そう話すジョストさんに、目標である2024年12月の再開がほぼ確実と聞いた松岡さんが「悲しみからのスタートでしたが、ノートルダム大聖堂はこれからの世界を変えてくれる力、魂を持っているのでは？」と尋ねます。

ジョストさんは大きくうなずき答えました。

「ここに魂があることは、火災時、世界中に広がったエモーションを見ても明らかです。だからこそ、その復活は、『悲しみの代わりに希望を』という、世界へのメッセージなのです」

特徴的な飛び梁。ここが崩れると建物全体の崩壊にも繫がるため、下の空間に木枠のハンガーがつけられアーチを調整。

Cathédrale Notre-Dame de Paris（ノートルダム大聖堂）
6 Parvis Notre-Dame-Place Jean-Paul II 75004 Paris
12月8日再開予定。

※１ユーロ＝約169.92円（2024年6月6日現在）
※営業時間、定休日、商品、サービス内容、料金やメニュー等は時期により変更になる場合があります。
※別途サービス料や税金がかかります。

（次回へ続く。この特集の一覧＞＞）