開放感のある高い天井、19世紀のシャンデリア、優しい色の壁に調和した絵画の数々……。3月にオープンした長野県・蓼科高原の「ホテル ドゥ ラルパージュ」は、見るもの、触れるものすべてが本物で上質なオーベルジュ。
「ウィンターガーデン(冬の庭)」と名づけられた1階ロビー。高さ8メートルのガラス屋根から降り注ぐ光が来館者を温かく迎える。
実業家で美食家のお父様とフランス文学者のお母様のもと、幼い頃からフランスで過ごしてきたオーナー戸部浩介さんの美意識が、照明のスイッチ一つに至るまで貫かれています。
戸部さんが思い描いたのは「フランス人の邸宅のように明るく温かく洗練されていて、『上質な日常』を過ごせる場所。自分たち夫婦が心から泊まりたいと思えるホテル」です。
3つのフロアをつなぐ螺旋階段。ステンドグラスの色彩が階段に映る朝は幻想的な美しさ。
最上階3階の「スイートルーム #31」の寝室。空気の澄んだ日には八ヶ岳が望める窓は、フランスの邸宅に多い内開きの両開き。屋根の形に合わせて傾斜をつけた天井や壁が特徴で、屋根裏部屋のような居心地のよさも魅力だ。
アーチが連なる回廊や螺旋階段、リモージュの器で供される伝統料理などがフランスを感じさせる一方で、日本の風土や習慣に合わせた工夫も随所に見られます。
客室の窓には必要なときだけ引き出せる網戸を、バスルームには洗い場を設け、朝食には和食の選択肢も。フランスの美意識と日本の快適さが融合した唯一無二のホテルです。
「ル・ジャルダン」は伝統的なフランス料理とフランス直輸入のワインが堪能できるレストラン。料理はフレンチの巨匠、東 敬司氏が監修。希少なワインも含めて常時約2000本が揃えてある。
「国産牛バラ肉のブルゴーニュ風赤ワイン煮込み」は濃厚な味わいでとろける柔らかさ。
広い庭ではティータイムが楽しめる。写真はレモンの酸味が爽やかな「タルト・ シトロン フランボワーズのチュイールをのせて」。
長年当地で愛された「ホテルハイジ」から旧宮家別邸跡地を受け継いで誕生。ラルパージュとはアルプス地方の方言で“夏の高原の牧草地”を意味。軽井沢からの小旅行にもおすすめだ。
ホテル ドゥ ラルパージュ
HÔTEL de L'ALPAGE
長野県茅野市北山4035-1820
電話 0266(67)2001
火曜・水曜休館 2月に長期休館の予定
URL:
https://hotelalpage.com/1室2名利用で1泊2食付きの場合、「エグゼクティブルーム」11万4950円/1名、「スイートルーム#31」20万5700円/1名(ともに税・サービス料が含まれた標準価格。曜日、季節で上下変動あり)全12室 IN15時/OUT11時
レストラン「ル・ジャルダン」ランチコース9000円~、ディナーコース2万4200円~、ケーキセット2500円(すべて税・サービス料込み) ランチ、ディナーは予約優先。