〔特集〕わが家がリゾートになる 最旬の「豪邸」拝見 住まいで最も重要なこと ── それは家族が、幸せな気分で過ごせ、心からリラックスできること。オープンエア空間をうまく取り入れ、居ながらにしてリゾート気分が味わえる豊かな豪邸ライフを訪ねました。
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都市型豪邸の名手 森山善之さんに聞く 豊かな野外空間(アウトドアリビング)設計術 6つの基本セオリー
自然を身近に感じることのできる野外空間は、心豊かに暮らすうえでの重要な要素。設計するほぼすべての家に屋外空間があるという森山さんに魅力ある野外空間づくりのセオリーをうかがいました。
建築設計事務所バケラッタ 森山善之
1964年生まれ。建築設計事務所バケラッタ代表。山口大学工学部建築学科を卒業後、類設計室、PAO設計勤務を経て1997年独立。「洋服を仕立てるように施主に似合う建物をつくる」を信条に数々の豪邸建築を手がける。
引き戸を開ければバスコートと一体となる浴室は、露天風呂のよう。
1 住まいはリゾート
~野外のリラックス空間は必須~「かつては野外空間=月に一度のバーベキューの場といった固定的なとらえ方でしたが、最近は映画を観たり読書をしたり、室内と同じことをする日常の場になっています。今は同じ空間にいても各自が好きな過ごし方をする時代。野外空間は、その自由な過ごし方の選択肢を増やし、気分を切り替えるために不可欠です」
2 テラスにはガラス屋根を
~熱と紫外線をカット~「日常的に野外空間を使う=アウトドア家具を出しっぱなしにするということ。そのためには屋根があるのがベストです。光触媒を塗装したUVカットガラスの屋根なら、家具を紫外線による劣化から守り、夏場の暑さも軽減できます。また雨が降れば光触媒の働きで屋根の汚れが落ちやすくなるなど、いいことずくめです」
3 収納・設備は野外で完結
~野外で完結することがストレスをなくす~「野外空間をつくると、そこで使用するものを保管する場所が必要になります。K邸では、テラスダイニングの脇にバーベキュー用具や掃除道具などをしまう納戸と本格的なアウトドアキッチンを設置。キッチンは食洗機や冷蔵庫を備え、食器も収納できるので料理の際に室内外を往復する必要がなく、野外だけで作業が完結できます」
キャノピーが開閉できる「B&Bイタリア」のデイベッドは読書にも最適。キッチン、ダイニング、そして屋外へとフラットにつながる動線。
4 シームレスにつなぐ
~インとアウトを視覚でつなげるのが時流~「K邸では、LDKの天井高を6メートル確保したうえで野外空間に向けて大開口を設置。さらにプールサイドに配置した植物と連動するように、室内に高木を置いて外との自然なつながりを演出しています。このように室内に野外の要素を取り入れることで内と外とがシームレスにつながり、室内にいても心地よさを感じることができます」
5 ハイエンドのアウトドア家具
~世界的な潮流~「アウトドア家具を配置することで、野外に快適な居場所が生まれます。その意味で、家具の配置は大きなポイント。今やどのハイブランドもアウトドア家具を発表しており、品質も室内家具と遜色がないほどよくなっています。ただし、雨ざらしで使用すると多くのものは劣化するため、使用条件に合わせて選ぶことが大切です」
6 水辺は景観である
~最新プールはメンテナンスフリー~「循環式の温水プールが普及した今、自宅へのプールの設置を希望する人が増えています。水温を設定することで年中泳ぐことができ、フィルターで汚れを取り24時間循環するので、水は常にきれいな状態。冬場も水を張ったままで過ごせ、ふたをする必要がないため、虫が湧かず、使わないときも景観を楽しむことができます」
(次回へ続く。
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