〔特集〕エレガントに愉しむ“おつまみ”レシピ ディナーの前に食前酒と軽いおつまみを楽しむ、フランスではおなじみの「アペロ」。アペロとはアペリティフ(aperitif )の略で、友人や家族とおしゃべりしながら好きなお酒を片手にゆったり過ごす、至福の時間のこと。日が傾き、快い涼風が頰をくすぐる夕暮れ時、キリッと冷えたシャンパンやノンアルのカクテル、とっておきの冷たい日本酒を用意して、お洒落な和洋のフィンガーフードでリラックスしませんか。
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【冷たいフィンガーフード】
シャンパン&キャビアに彩りを添えるブリニ七変化
漆黒のクロスに映える、キャビアを囲むブリニの数々。彩りよく盛られた料理は、ひと口といえどどれも完璧な味わい。ブリニやフォワグラは冷凍のものなど市販品を活用。レシピはこちら>>
アペロのおつまみは、ひと口でいただけるアミューズ・ブーシュがセオリー。キャビアと相性のよいパンケーキ“ブリニ”の上にのせたのは、シャンパンと響き合う、ひと口仕立ての贅を尽くした前菜。グランメゾンの薫り漂うエレガントなおつまみです。
「ガストロノミー“ジョエル・ロブション”」関谷健一朗さんのアペロレシピ
〔冷たいフィンガーフード〕
分量は作りやすい量での目安です。
※ブリニは市販のものを使用
●スモークサーモンのムース(1)スモークサーモン適量はフードプロセッサーでペースト状にし、七分立てにした生クリーム適量と合わせ、しばらく冷蔵庫でやすませる(サーモンと生クリームは7:3が目安。サーモンの脂分で調整する)。
(2)ブリニに(1)を絞り、さいの目切りにしたスモークサーモン、イクラ、ケイパー、ディル、金箔を飾る。
●白身魚のタルタル(1)刺し身用の白身魚(鯛やひらめなどお好みで)は細かく切る。みじん切りにしたチャイブ、オリーブオイル各適量をからめる。
(2)ブリニに(1)をのせ、丸くくりぬいたきゅうり、ラディッシュ、お好みのハーブを飾る。
●ウフ・ミモザ(1)堅ゆでにしたゆで卵を卵黄と卵白に分け、ブリニのサイズに合うよう丸形に抜き、ブリニに卵白、卵黄、卵白の順でのせる。
(2)余った卵黄をほぐしてマヨネーズ適量であえ、(1)の上に花穂じそ、チャイブとともに飾る。
●ハムのゼリー寄せ(1)スライスハム適量を切って型の底に敷き詰め、2パーセントのゼラチンとパセリ少量を加えたコンソメを注ぎ、冷やし固める。固まったらハムをのせて層にする。
(2)ブリニにカットした(1)をのせ、マスタード、マイクロトマト、ハーブ(マイクロセロリ)を飾る。
●烏賊のマリネ(1)お好みのいか(刺し身用)1枚は鹿の子目を入れ、表面をさっとあぶる。オリーブオイル適量でマリネする。
(2)アボカド適量はフォークでつぶしてペースト状にし、タバスコ少々を加える。(1)とともにブリニにのせ、切ったオリーブの実、ハーブ(オゼイユ)を飾る。
●オマール海老(1)オマール海老1尾をゆで、半分はスライスする。残りは細かく刻み、マヨネーズとあえる(割合は1:1)。
(2)レモン汁適量に対して2パーセントのゼラチン、バニラ少々を加えて冷やし固め、シートを作る。
(3)ブリニに(1)の海老のスライスとマヨネーズであえたもの、(2)を順にのせ、マヨネーズ、タプナード(黒オリーブ、アンチョビー、にんにく、ケイパーなどを合わせたペースト。市販も可)を飾り、ハーブを散らす。
●フォワグラのテリーヌ(1)フォワグラのテリーヌ(市販のもの)は薄く切ってくるんと巻く(写真参照)。
(2)とうもろこしは一口大に切り、バーナー等で焼き目をつける。(1)とともにブリニにのせ、エディブルフラワーを飾る。
関谷健一朗(せきや・けんいちろう)1979年千葉県生まれ。専門学校卒業後、ホテルでの経験を経て、2002年に渡仏。2006年にパリの「ラトリエドゥ ジョエル・ロブション」に勤務。2021年11月、「ガストロノミー“ジョエル・ロブション”」の総料理長に就任。2023年6月には、日本人初の料理部門M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を受章。
(次回へ続く。
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