〔特集〕エレガントに愉しむ“おつまみ”レシピ ディナーの前に食前酒と軽いおつまみを楽しむ、フランスではおなじみの「アペロ」。アペロとはアペリティフ(aperitif )の略で、友人や家族とおしゃべりしながら好きなお酒を片手にゆったり過ごす、至福の時間のこと。日が傾き、快い涼風が頰をくすぐる夕暮れ時、キリッと冷えたシャンパンやノンアルのカクテル、とっておきの冷たい日本酒を用意して、お洒落な和洋のフィンガーフードでリラックスしませんか。
前回の記事はこちら>>・特集「エレガントに愉しむ“おつまみ”レシピ」の記事一覧はこちらから>>
ロブション仕込みの華やかアペロを我が家で
── 関谷健一朗 さん(「ガストロノミー“ジョエル・ロブション”」総料理長)
関谷健一朗(せきや・けんいちろう)
1979年千葉県生まれ。専門学校卒業後、ホテルでの経験を経て、2002年に渡仏。2006年にパリの「ラトリエドゥ ジョエル・ロブション」に勤務。2021年11月、「ガストロノミー“ジョエル・ロブション”」の総料理長に就任。2023年6月には、日本人初の料理部門M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を受章。
「フランスでのアペロは簡単なおつまみとワインで仲間とおしゃべりを楽しむもの。ディナーに辿りつく前に、そのまま終わることもありました(笑)」。
そう話す関谷健一朗シェフに今回お願いしたのは、ロブション流おもてなしの心を込めた華やかなアペロのおつまみ。
「最初のブリニはシャンパンに合わせて、魚介をやや多めに。キャビアと相性のよい料理を盛り込みました。コツは組み合わせる素材を吟味すること。食べやすさも大切です」。
肉、魚、甲殻類などをバランスよく取り入れ、さまざまな調理法でバラエティ豊かに。随所にモダンフレンチの技が光ります。
【フリット&グリル】
ふくよかなワインも進む温かいスナック
3枚の四角形と2枚の長方形で構成する器は、関谷シェフがデザインしたもの。高低差があることで、料理がドラマチックに映え、鮮やかな印象を残す。レシピはこちら>>
冷たい前菜だけでなく、フリットやグリル、ソテーといった温かい料理があるとおなかにも優しいもの。
モダンな器に宝飾品のように並んだフィンガーフードが、夏の宵のアペロを浮き浮きと華やいだ気分にしてくれます。
色鮮やかなソースのあしらいにも、おもてなしの心が溢れています。
「ガストロノミー“ジョエル・ロブション”」関谷健一朗さんのアペロレシピ
〔フリット&グリル〕
分量は作りやすい量での目安です。
●野菜のミルフィーユ(1)輪切りにしたなすとズッキーニ各適量をにんにくオイルでソテーし、塩少々で味をととのえる。
(2)バジルソースを作る。バジル、オリーブオイル各適量、塩少々をミキサーにかけ、なめらかなペースト状にする。
(3)(1)のなす、ズッキーニ、カットしたモッツァレラチーズを順に重ねてピックで固定し、セミドライトマトとハーブを飾る。(2)とマイクロトマトをあしらいに添える。
●フォワグラのカナッペ(1)ブリオッシュは丸形に抜き、トーストする。フォワグラ(市販のもの)は一口大に切り、ソテーする。
(2)(1)のパン、フォワグラ、セミドライのプルーン適量を順に重ねてピックで固定し、金箔を飾る。煮つめたバルサミコ酢、塩、粗挽きこしょう各適量をあしらいに添える。
●海老のパピヨット(1)海老1尾は殻と背わたを取り、塩少々をする。バジルの葉とともに春巻きの皮で巻き、180度の油で揚げる。バジルソース(「野菜のミルフィーユ」のレシピを参照)をあしらいに添える。
●ブランダードのクロメスキ(1)生の鱈1切れ、にんにく、タイム各適量、塩少々を鍋に入れ、鱈が浸るくらいの牛乳で柔らかくなるまでゆでる。別の鍋でじゃがいも1個をゆでる。
(2)(1)の鱈とつぶしたじゃがいもを4:1の割合で混ぜ合わせ、冷やす。固まったら丸く成形し、薄力粉、溶き卵、パン粉の順にころもをつけ、180度の油で揚げる。
(3)マヨネーズ適量、サフランパウダー、すりおろしたにんにく各少々を混ぜ合わせたソースの上に(2)をのせ、ハーブ(オゼイユ)を飾る。
●帆立貝のソテー(1)しょうが、チャイブ各適量(1:1)を細かく刻み、オリーブオイルでからめる。
(2)帆立貝柱1個は両面をソテーし、(1)をのせる。
(3)黄色と赤のパプリカ各適量は弱火でじっくりとソテーし、それぞれオイル適量を加えてミキサーにかけてソースとし、(2)に添える。ハーブ(アマランサス)を飾る。
(次回へ続く。
この特集の記事一覧はこちらから>>)