〔特集〕エレガントに愉しむ“おつまみ”レシピ ディナーの前に食前酒と軽いおつまみを楽しむ、フランスではおなじみの「アペロ」。アペロとはアペリティフ(aperitif )の略で、友人や家族とおしゃべりしながら好きなお酒を片手にゆったり過ごす、至福の時間のこと。日が傾き、快い涼風が頰をくすぐる夕暮れ時、キリッと冷えたシャンパンやノンアルのカクテル、とっておきの冷たい日本酒を用意して、お洒落な和洋のフィンガーフードでリラックスしませんか。
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【アイディア春巻き】
笑顔広がる、サプライズな組み合わせ
加藤 委 作の細い長方皿には春巻きを。岸本耕平 作のガラス皿の中央には、一口大に切った生春巻きを盛り込む。レシピはこちら>>
「春巻きの楽しさは、思いがけない素材の組み合わせです」。そう話す奥田さんが何よりも意識するのは和のテイスト。
あわびの肝で作った黒いベシャメルソースを蒸しあわびと合わせてみたり、春雨の仕上げに実山椒を忍ばせてみたり、いちじくやアボカドをライム風味の味噌でつなぐなど、縦横無尽なサプライズを繰り広げながらも、最後はしっかりと日本料理に着地します。
「銀座 小十」奥田 透さんのおつまみレシピ
〔アイディア春巻き〕
分量は原則2人分
●和牛ロース冷しゃぶの生春巻き ごま酢だれ(1)つけだれ(作りやすい量)を作る。ボウルにすりごま、米酢、醬油各大さじ2、砂糖大さじ1を入れ、よく混ぜ合わせる。
(2)牛肉(薄切り)30グラムは、しゃぶしゃぶにして冷水にとり、水気を拭いておく。
(3)きゅうり、長いも各適量はせん切りにする。
(4)ライスペーパー1枚を水につけ、ふやけたら水気を拭いて広げ、しそ、(2)、(3)をのせて巻く。
●かに肉とレタスの生春巻き和風青柚子だれ(1)つけだれ(作りやすい量)を作る。ボウルに醬油大さじ4、太白ごま油小さじ2、砂糖小さじ2、青柚子(絞り汁、皮のすりおろし)1個分を合わせる。
(2)にんじん、きゅうり各½本はせん切り、オクラ2本は下ゆでして半分に割り、種を取ってせん切り、レタス1枚は洗って水気をきっておく。
(3)ライスペーパー1枚を水につけ、ふやけたら水気を拭いて広げ、(2)をのせて巻く。
●いちじく・アボカド・ナッツライム味噌の春巻き(1)ライム味噌を作る。鍋に、白味噌100グラム、酒25ml、砂糖30グラム、卵1個を入れて弱火にかけ、ある程度固くなるまで練ったら火を止めて、冷ましておく。ライム果汁とすりおろした皮各適量を加え混ぜる。
(2)いちじく1/2個、アボカド1/3個、ミックスナッツ10グラムはそれぞれ適当な大きさに切る。
(3)春巻きの皮で(1)、(2)を巻き、180度の油で揚げる。
●牛肉と春雨・野菜・実山椒の春巻き(1)春雨10グラムは水につけてもどす。牛肉100グラムと野菜(れんこんやピーマン、にんじん、しいたけなど各5グラム)は細切りにする。
(2)フライパンを火にかけ、油をひいて①を炒め、酒、醬油、みりん各適量で味をととのえ、実山椒少々を加える。
(3)春巻きの皮で②を巻き、180度の油で揚げる。
●伊勢海老・いか・じゃがいも明太子の春巻き(1)じゃがいも1個は蒸して裏ごしし、明太子1腹と混ぜる。
(2)伊勢海老1/2尾は殻をむいて、熱湯の中でさっと霜降りにし、食べやすい大きさに切る。いか30グラムは下処理をして細切りにする。
(3)春巻きの皮で(1)、(2)を巻き、180度の油で揚げる。
●蒸しあわび・肝クリーム・枝豆の春巻き(1)あわび1個は表面をたわしでよく磨き、塩少々をふって蒸し器で6時間、柔らかくなるまで蒸す。身は適当な大きさに切り、肝は裏ごしする。
(2)枝豆300グラムは塩ゆでにして、さやから取り出す。
(3)鍋に小麦粉30グラム、バター15グラムを弱火にかけて炒め、牛乳120mlを少しずつ加えて、固めのベシャメルソースを作る。さらに①の肝、塩適量、(2)を混ぜて冷ます。
(4)春巻きの皮で蒸しあわび、(3)を巻き、180度の油で揚げる。
【ひと口ご飯&麺】
美酒を楽しむ小丼
ほんの2、3口で食べる贅沢な小丼や冷たい麺、鰻やおすしなど、食欲をそそる夏のご馳走を並べる。冷酒が欲しくなるおいしさ。レシピはこちら>>
「和のアペロでは、おすしや小丼、冷たい麺などおなじみの味が喜ばれます。ただし、日常の器に単に豪勢に盛り合わせただけでは華も面白味もありません。ガリやしば漬けをご飯に混ぜ込んだ万願寺ずしや手まりずしは、見かけよりもずっと簡単。ほんの少しひねって鶏そぼろの小丼にスパイスご飯を使うなど、お客様が喜ぶ仕掛けをちりばめます」。
季節のあしらい、普段は戸棚の奥深くにしまったままの大鉢や折敷などの使い方も一興。気が置けない仲間が集まるアペロの機会に、こうした和の器を使ってプレゼンテーションするのも素敵です。
「銀座 小十」奥田 透さんのおつまみレシピ
〔ひと口ご飯&麺〕
分量は原則2人分
●とろと生うにの小丼(1)まぐろ(刺し身用)1/2さくは1センチ角に切る。
(2)器にお好みの量のご飯を盛り、ちぎったのり少々、(1)・生うに各適量の順にのせる。仕上げに、卵の黄身と醬油を同量混ぜた黄身醬油をかけ、おろしわさび適量を添える。
●鶏と卵のそぼろスパイスご飯(1)鍋に鶏ひき肉100グラムを入れ、醬油、酒、みりん、砂糖各大さじ1を加えてよく混ぜる。中火にかけ、箸でかき混ぜながらそぼろ状にする。
(2)別の鍋に卵2個を割り入れ、薄口醬油、砂糖各大さじ1を加えて中火にかけ、箸でかき混ぜながらそぼろ状にする。
(3)玉ねぎ、ししとうは粗めのみじん切りにする。
(4)フライパンを熱して油をひき、(3)を炒める。さらに茶碗軽く1杯分のご飯を入れて炒め、塩、カレー粉各適量を加えて味をととのえる。
(5)器に(4)を盛り、(1)、(2)を彩りよくのせる。
●豚冷しゃぶと夏野菜の黒ごまそうめん(1)麺つゆ(作りやすい量)を作る。鍋にだし240ml、醬油大さじ2、みりん大さじ2(8:1:1)を合わせて火にかけ、沸いたら火を止めて冷ましておく。
(2)トマト1個は皮をむいて1センチ角、ズッキーニ1/4本も同じ大きさに切って下ゆでしておく。豚極薄切り肉100グラムはしゃぶしゃぶにして冷ましておく。
(3)器にゆでて冷やした黒ごまそうめん1束を盛り、(1)を張り、(2)を彩りよく盛る。
●鶏ささ身のそうめん からすみ添え(1)鶏ささ身肉100グラムは薄く塩・こしょうして蒸し、ほぐす。三つ葉5本は下ゆでし、2センチ長さに切って鶏肉と混ぜ合わせる。
(2)半田そうめん1束をゆでてから冷やし、器に盛り、麺つゆ(「豚冷しゃぶと夏野菜の黒ごまそうめん」のレシピを参照)を張る。上にちぎったのり、(1)、スライスしたからすみを順にのせる。
●鰻かば焼きと万願寺ずし(1)万願寺唐辛子2本は、縦に包丁目を入れて種を取り出し、180度の油で揚げる。氷水にとり、だし120ml、醬油大さじ1、みりん大さじ1(8:1:1)を合わせた地に10分漬け込む。
(2)すし用の酢めし 茶碗軽く1杯分に、ガリ、しば漬け各適量を刻んで混ぜる。
(3)鰻のかば焼き(市販のもの)を温め、万願寺唐辛子にのるサイズに切っておく。
(4)(1)に(2)を詰め、(3)をのせて、一口大に切る。
●手まりずし(車海老、きす昆布じめ)(1)きす1尾は三枚におろして薄く塩をし、水気を拭いて昆布にはさんで2時間冷蔵庫におく。
(2)車海老2尾は串をして熱湯で3分ゆで、氷水にとって冷ます。殻をむき、背わたを除く。
(3)すし用の酢めし 茶碗軽く1杯分に、煎り白ごま適量を混ぜ合わせる。
(4)ラップの上に、車海老を置き、その上に(3)をのせて結び、一口大の手毬ずしを作る。同じようにしてきすの昆布じめの手毬ずしを作り、それぞれ笹でくるむ。
●中巻き(1)イクラ醬油漬け、かんぴょううま煮、干ししいたけうま煮、卵焼き、桜でんぶは市販のものを用意する。三つ葉は下ゆでしておく。
(2)巻きすに焼きのりを敷き、すし用の酢めし、(1)をそれぞれ好みの量で巻き、一口大に切る。
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