クラシックソムリエが語る「名曲物語365」 難しいイメージのあるクラシック音楽も、作品に秘められた思いやエピソードを知ればぐっと身近な存在に。人生を豊かに彩る音楽の世界を、クラシックソムリエの田中 泰さんが案内します。記事の最後では楽曲を試聴することができます。
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第360回 バーンスタイン『キャンディード』序曲
イラスト/なめきみほ
才人バーンスタインの代名詞
今日8月25日は、アメリカの作曲家・指揮者・教育者として名高い、レナード・バーンスタイン(1918~90)の誕生日です。
指揮においては、“楽壇の帝王”ヘルベルト・フォン・カラヤンと並び称されるスーパースターとしてクラシック界を席巻。指揮台の上で躍動するエネルギッシュな指揮ぶりと親しみやすい人柄によって、多くのファンを魅了した姿が思い出されます。
一方、作曲家としての実績も破格です。シェイクスピアの名作『ロメオとジュリエット』の舞台を1950年代のニューヨークに置き換えた大ヒット作『ウエスト・サイド・ストーリー』を筆頭に、『オン・ザ・タウン』や『キャンディード』などのミュージカル作品から、交響曲第1番『エレミア』、第2番『不安の時代』などなど、20世紀を代表する作品を生み出したバーンスタインの評価は、その死後、さらに高まっています。
中でも『キャンディード』序曲は、彼の提唱によって誕生した札幌の国際教育音楽祭「パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)」などでも頻繁に演奏される人気曲です。
田中 泰/Yasushi Tanaka一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。ラジオや飛行機の機内チャンネルのほか、さまざまなメディアでの執筆や講演を通してクラシック音楽の魅力を発信している。