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最旬の豪邸拝見【4】ウッドデッキがつなげる屋根のあるアウトドア空間

2024.08.08

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〔特集〕わが家がリゾートになる 最旬の「豪邸」拝見 住まいで最も重要なこと ── それは家族が、幸せな気分で過ごせ、心からリラックスできること。オープンエア空間をうまく取り入れ、居ながらにしてリゾート気分が味わえる豊かな豪邸ライフを訪ねました。前回の記事はこちら>>

特集「最旬の『豪邸』拝見」の記事一覧はこちら>>>

ウッドデッキがつなげるオープンエアの暮らし
── F邸(長野)

屋根のある野外リビング

屋内リビングと同一平面で隣接するF邸のアウトドアリビング。生活動線や視線がシームレスにつながる開放的で豊かなプラン。

窓外に広がる庭の緑が目と心のご馳走

掃き出し窓を挟んで、段差なく、広いウッドデッキが続くリビングルーム。床同様、天井も中と外がつながって見えるよう設計されている。周囲の自然になじむアースカラーの家具はイタリア「フレックスフォルム」。

エムズ・アーキテクツ 高橋昌宏
1965年東京都生まれ。日本大学理工学部建築学科卒業。一級建築士事務所アルテ・ワンを経て、2005年にエムズ・アーキテクツを設立。敷地のポテンシャルを引き出し、「上質なリゾートホテルのような空間」を提案する。

屋根のあるアウトドア空間が心地よい

特徴ある土地の形を生かして、家族のプライバシーが守られ、友人と楽しく集える家をつくりたい。そんなFさんご夫妻の希望を叶えた邸宅は、屋根のあるアウトドア空間を2つ備えているのが大きな特徴です。


バーベキューの設備も完備した東屋風スペース。夏には子ども用のプールが置かれるのだそう。

母屋から独立した東屋風のスペースと、三方を掃き出し窓に囲まれたアウトドアリビング。趣の異なる2つの空間は、壁と暖炉に同じ石を使うことで、つながりを持たせています。

リビングルームと和室の間にあるアウトドアリビング。石造りの暖炉を設けたことで、より屋内に近い雰囲気の特別な空間になった。

暖炉に揺らめく炎もおもてなしの一つ。「冬の集まりでは、子どもたちがよく暖炉でマシュマロを焼いて喜んでいます」と奥様。

「屋根があれば、バーベキューをしているときに雨が降ってきても、中へ移る必要がありません。雨を眺めながら、ゆっくり外の空気を楽しめる。『屋根のある屋外空間』は軽井沢の別荘や住宅になくてはならないものだと考えています」。

そう話すのは、F邸を設計したエムズ・アーキテクツ代表で「軽井沢別荘の名手」として知られる高橋昌宏さん。これまでに手がけた軽井沢の別荘や住宅は140軒にのぼります。

「F邸最大の特徴は定住用であることです。以前は私たちも週末を過ごす別荘の設計が大半でしたが、コロナ禍以降、F様のように都心と軽井沢の二拠点生活を始められる方からの依頼が増えています。別荘との違いは、収納スペースやユーティリティを充実させるといったこともありますが、一番は敷地の選び方でしょう。週末に非日常の時間を楽しむだけなら、傾斜地など、どの方角からも人の目が気にならず、絶景のお風呂などもつくれる場所がおすすめですが、定住となると話が違ってきます。山の上では買い物に行くのも不便ですし、ご主人が出張へ行っている間、奥様とお子さんが怖い思いをしてしまうといったこともある。暮らしやすく、なおかつ自然に溢れた環境を満喫できるというのが、今回目指したことでした」。

F邸が建つのは、軽井沢に住むまではペーパードライバーだったという奥様も安心な、街からのアクセスもいい平地。その分、近隣には住宅や畑もあります。

山の上や森の中の別荘同様、人の目を気にすることなくくつろげて、自然の景観を存分に楽しめるよう、高橋さんたちが考えたのは、建物を土地の形に合わせた「緩やかなV字形」にして、隣家との境は植栽で目隠しし、庭をクローズな空間にすること。

土地の形に合わせて「緩やかなV字形」に設計された建物に沿って、幅を変えながら続くウッドデッキは、F邸の特徴の一つ。横に長い家屋と庭に一体感をもたらしている。

各部屋の窓はすべて庭に面しており、近隣の建物は目に入りません。

屋外の家具はイタリア「アトモスフェーラ」。

庭には、家屋の大きさとバランスのいいボリュームのある紅葉や桜を植え、木々の周りには照明を設置し、高橋さんが自ら一つずつ位置と向きを調整しました。庭の奥にある樹木も照らすことで、景観に奥行きを持たせています。

「夜ライトアップされた庭を見るのが大好きです」と微笑む奥様の視線の先には、美しく手入れされた庭で、元気いっぱいに遊ぶお子さんの姿がありました。

夫妻のベッドルームから、書斎と東屋風空間、ウッドデッキと庭を望む。どの部屋も庭側に窓とドアがあり、屋内外を気軽に行き来でき、お子さんが庭で遊ぶ様子を見守ることもできる。

ご主人が収集している絵画が飾られた廊下はギャラリーのよう。手前のダチョウの絵は奥様が一目惚れしたという福井江太郎さんの作品。

(次回へ続く。この特集の一覧>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年08月号

家庭画報 2024年08月号

撮影/角田 進 取材・文/清水千佳子 スタイリング協力/山田喜美子

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