連載「My Delicious だしが決め手の料理」9月
初秋の炊き合わせ
各具材を煮た後、しばらくおいてしっかりだしの味を含ませるのがポイント。
懐石料理の技を礎にしながら、どこか家庭的で心和む料理で注目されている原田アンナベル聖子さん。
だしを生かす一品として教えてくれたのは、煮汁をたっぷり含んだ手作りがんもどき入りの炊き合わせです。
「複数の具材を、それぞれに適しただしで別々に煮てからひとつの器に盛りつける。そのひと手間をかけると、煮物もぐっと洗練された味わいになります。がんもどきはお好みで旬の野菜を入れるなどの応用が利き、四季を通して楽しめるのでぜひ試してみてください」。
材料（4人分）
がんもどき
・木綿豆腐 1丁（300〜350グラム）
・大和いも 80グラム
・きくらげ 2グラム
・にんじん 30グラム
・しいたけ 35グラム（2個）
・溶き卵 20グラム
・いりごま 3グラム
・極みだし 2袋
・塩 ひとつまみ
・みりん 20ml
・薄口醬油 40ml
・米油 適量
里いも
・里いも 200グラム
・米 10グラム
・煮干しだし 1袋
・みりん 20ml
・薄口醬油 10ml
壬生菜 1/3束
ゆずの皮 1/3個分
作り方
1.豆腐は約200グラムになるまで水きりして裏ごしする。大和いもはおろす。きくらげは水でもどして2ミリのせん切りにする。にんじんは2ミリ角、しいたけは軸を取り3ミリ角に切る。
2.（1）のきくらげ、にんじん、しいたけを鍋に入れ、 水200ml、極みだし1袋、みりん15ml、薄口醬油20mlを加えて中火にかける。沸いてから5分ほど煮て火を止め、常温になるまでおいておく。
3.（1）の豆腐と大和いも、溶き卵、いりごま、汁気をきった（2）、塩、みりん5mlをボウルで混ぜ合わせる。直径3〜4センチに丸く成形し、160度に熱した米油で全体がきつね色になるよう4〜5分揚げ、油をきる。
4.鍋に（3）、極みだし1袋、水300ml、薄口醬油20mlを入れ、落としぶたをして約5分中弱火でコトコト煮る。火を止めて30分ほどおく。
5.里いもの皮をむき、鍋にたっぷりの水と米を入れて下煮する。串がスッと通ったら火からおろし、鍋ごと流水にさらす。
6.里いもをぴったり一面に収まるサイズの別鍋に並べ、煮干しだし、水350ml、みりん、薄口醬油を入れ、落としぶたをして約10分中弱火でコトコト煮る。火を止めて30分ほどおく。
7.洗った壬生菜を1分ほどさっとゆで、氷水に落とす。しっかり水気を絞り約4センチに切る。
8.温め直した（4）（6）と（7）を器に盛りつけ、（4）のだしをはり、せん切りにしたゆずを飾る。
福岡の料理屋「御料理茅乃舎（かやのや）」発祥の茅乃舎のだし2種類を使用。右はまぐろ節の風味が広がる「特選 茅乃舎極みだし」8グラム×12袋入り、2808円。左は力強いうまみの「茅乃舎 煮干しだし」8グラム×30袋入り、2268円／久原本家 TEL：0120-84-4000
原田アンナベル聖子（はらだ・あんなべる・せいこ）さん
慶應大学卒業後、懐石料理店で研鑽を積み独立。ケータリングや料理教室を始める。「とらや 赤坂店」リニューアルに伴うフードディレクションに携わった後、一昨年カウンター10席の和食料理店をオープン。
komb（こんぶ）
東京都新宿区若宮町5
TEL：03（3528）9894
