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軽井沢で実現した英国風ガーデニング。四季の草花に囲まれた別荘暮らし

2024.08.19

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〔特集〕軽井沢を選ぶ理由 名門避暑地、軽井沢の人気は高まる一方です。従来型の別荘需要にとどまらず、定住者が急増していることが最近の大きな傾向です。自然に親しむライフスタイルを愉しむ人々、そして軽井沢通の間で評判になっている美味処やスポットなど、ますます活気づく軽井沢の最旬の魅力を紹介します。前回の記事はこちら>>

・特集「軽井沢を選ぶ理由」の記事一覧はこちらから>>

名門避暑地の愉しみは自然に浸ること
自然を愉しむ 優雅なライフスタイル拝見

自然を何よりも尊び、そこに溶け込む暮らしこそが、名門避暑地、軽井沢の本来の目的であり、愉しみです。明治期、西洋人によってもたらされた「健康保養地」「リゾート」という概念は、この地に根付き、恵まれた風土を生かした豊かなライフスタイルが形を変えて今に受け継がれています。自然を享受し、趣味に生き、人生を愉しむ軽井沢の流儀と最旬の愉しみを探訪します。

四季移ろう庭のおもてなし/TKさん(経営者)・祐子さん(水彩画アーティスト)

清々しい風が流れる中、雄大な山々を見渡す北軽井沢の別荘のデッキにて、ガーデン・デザイナーのニコラス・レナハンさん、奥様の淳子さんと庭の手入れの後、ランチを楽しむ。夏になると、目下にキャベツ畑が広がる。

清々しい風が流れる中、雄大な山々を見渡す北軽井沢の別荘のデッキにて、ガーデン・デザイナーのニコラス・レナハンさん、奥様の淳子さんと庭の手入れの後、ランチを楽しむ。夏になると、目下にキャベツ畑が広がる。

どの季節も美しい草花がハーモニーを奏でる楽園

浅間山や草津白根山、四阿山(あずまやさん)といった雄大な日本百名山を望むパノラマが借景のナチュラル・ガーデン。空はどこまでも広く、時には赤やオレンジに染まる感動の夕焼けに包み込まれます。


早春に庭一面に咲くスイセン。まるで英国の田舎の風景のよう。

〔Spring〕早春に庭一面に咲くスイセン。まるで英国の田舎の風景のよう。

花の間に巧みにグラスを植えると、草花それぞれの色や形がより引き立つ。春には足もとの高さしかなかった草も、夏には2㍍ほどに育ち、優雅に風になびく。

〔Summer〕花の間に巧みにグラスを植えると、草花それぞれの色や形がより引き立つ。春には足もとの高さしかなかった草も、夏には2メートルほどに育ち、優雅に風になびく。

ここ北軽井沢にTKさんが2000坪の土地を見つけ、庭づくりに着手したのは2017年のこと。庭のデザインは、スコットランド出身のガーデン・デザイナー、ニコラス・レナハンさんに一任しました。

〔Autumn〕朝陽に輝く“モーニングライト”、紅葉する“プレーリーブルース”、金色に輝く“ゴールドタウ”などのグラスを植えて秋を楽しむ。

〔Autumn〕朝陽に輝く“モーニングライト”、紅葉する“プレーリーブルース”、金色に輝く“ゴールドタウ”などのグラスを植えて秋を楽しむ。

〔Winter〕霜が降りると紅葉と夕焼けが際立つ。

〔Winter〕霜が降りると紅葉と夕焼けが際立つ。

花をこよなく愛する奥様、祐子さんの影響を受け、自ら草花に囲まれた別荘暮らしを計画したのでした。

最初の一年間は瓦礫とゴミの取り除きに専念。その後、ガーデニングには向かない黒い浅間砂が覆う土壌にマメ科やイネ科の植物を植えて、自然の力で土壌改良したのは、英国のガーデニングの知恵。

至る所に育つ19種類ものグラス(草)は、風になびきながら、しっかりと根で土を押さえてくれます。最後に庭を見下ろす高台に家を建てると、着手してから2年後、ようやく夢の楽園が現れました。

眺める場所によって異なる姿を見せる「セレニティガーデン(静寂の庭)」。「四季の草花のハーモニーを奏でる指揮者になった気持ちです」とレナハンさん。

眺める場所によって異なる姿を見せる「セレニティガーデン(静寂の庭)」。「四季の草花のハーモニーを奏でる指揮者になった気持ちです」とレナハンさん。

庭の手入れに励むTKさんは、「ここで草花と接しているとストレスが溶けていくようです」と話します。

以前は花を求めて国内外を旅行したお二人は、「もう海外にもどこにも行かなくてもいい。ここで過ごす時間が一番です」と微笑みます。

花を愛し、花でつながる集いの場

花が大好きな奥様の祐子さんは、東京の自宅の庭では毎年見事な薔薇を咲かせ、薔薇の絵を描くことを楽しんでいます。一方、北軽井沢では、薔薇はあえて植えず、周囲の自然に溶け込むような庭を造りたいと考えました。

結婚後始めた水彩画は、30年も続いており、個展も開くほどになり、日本各地から絵を習いに東京の自宅に通われる方も。

結婚後始めた水彩画は、30年も続いており、個展も開くほどになり、日本各地から絵を習いに東京の自宅に通われる方も。

「すっきりとした内装で、椅子が映える空間にしたい」と考えたTKさんが、インテリアや家具をすべて選んだ。フィン・ユールのデザインがお気に入り。リビングからは、浅間山や草津白根山などが一望できるパノラマビュー。涼しい風が吹き抜ける。

「すっきりとした内装で、椅子が映える空間にしたい」と考えたTKさんが、インテリアや家具をすべて選んだ。フィン・ユールのデザインがお気に入り。リビングからは、浅間山や草津白根山などが一望できるパノラマビュー。涼しい風が吹き抜ける。

「ニコラスさんと出逢って、春や夏と同じように、秋や冬の庭も好きになりました。たとえば、秋にアナベルが枯れゆく姿や、冬にコルヌスが落葉し、その真っ赤な茎が雪の中に現れたときの美しさを教わりました」とTKさんは語ります。

「ニコラスさんはね、枯れかかった木を、子どもを世話するかのように、一生懸命に生き返らせようとするんですよ。やっぱり花好き、植物好きの人は心が優しいと思う。僕も花を大切にするようになったし、少しずつ植物に詳しくなっていますよ」。

「庭の花を存分に使ってブーケを作ったり、部屋に花を活けたり、ブルーベリーやジューンベリーを収穫したりと、愉しみが尽きません」と話す祐子さん。

「庭の花を存分に使ってブーケを作ったり、部屋に花を活けたり、ブルーベリーやジューンベリーを収穫したりと、愉しみが尽きません」と話す祐子さん。

りんごの甘煮を薔薇の花びらに見立てたローズヒップティー。

りんごの甘煮を薔薇の花びらに見立てたローズヒップティー。

そんな日々発見のある庭に囲まれて、祐子さんは時折ガーデニング仲間を集めて、得意の料理やお菓子でもてなします。

TKさんも以前料理教室で磨いた腕前で、屋外のグリルで燻製料理やピザ、焼き鳥などを作り、家族や友達、仕事仲間との時間を大切にしています。時には、真っ赤な夕焼けや満天の星の夜空を見上げながら。

「ここは仲間と一緒に楽しい時間を過ごすことが叶う場所。花に囲まれながら、人をもてなして、人の喜ぶ顔を見ると、自分も幸せになれるんです」。

北軽井沢の別荘を訪れるときは、猫のこじたんも必ず一緒。庭の花を摘んで、部屋に飾るのが大好きな祐子さん。

北軽井沢の別荘を訪れるときは、猫のこじたんも必ず一緒。庭の花を摘んで、部屋に飾るのが大好きな祐子さん。

春から秋にかけて、時折庭の手入れに訪れるレナハンご夫妻とともに、今日もそよ風に吹かれながら、草花について語り合います。

(次回へ続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2024年09月号

家庭画報 2024年09月号

撮影/本誌・坂本正行

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