“メイドインジャパン”の職人技コスメ 美しさの源流は、日本の“地力”にあ 第3回 日本の“地力”に着目し、スキンケア成分へと昇華させた職人技が光るコスメを厳選。日本生まれだからこその美の秘密を解き明かします。
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厳しくも豊かな環境で育まれた「パワフルな自然の恵みを肌の力へ」
自然の恵みの生命力を肌の美しさと健やかさに生かす化粧品はスキンケア科学の進歩とともに、より効果の高いものになってきています。各ブランドの鋭い着眼点やユニークな技術、製品の魅力をお伝えします。
長崎県・五島の【椿】
椿の生命力を先端研究で解き明かし、美肌成分に
俳優の吉永小百合さんがサポーターを務める「五島の椿プロジェクト」をご存じの方も多いのではないでしょうか。
五島列島に自生する日本原産の藪椿。その数は一千万本と日本一を誇りますが、ほとんどが活用されていませんでした。“島の宝、椿で五島を元気にしたい”という想いのもと、行政、島民、企業が手を携えたオール五島の取り組みです。
自社農園では約1万本の椿を管理。収穫から製造、出荷まで全工程が島民の手仕事。顔の見えるものづくりを貫きます。
そしてプロジェクトの核となるのが「五島の椿」の化粧品です。椿の美容効果は種子から採れる椿油がつとに知られていますが、それだけではありません。寒い冬に凜と咲く花や、青々とした摘んでも萎れない葉に生命力を見出し、研究を重ねた結果、次々とパワフルな働きが解明されたのです。
保湿水に配合されたヤブツバキテルペンは秋に手摘みした大人葉を乾燥粉砕したのち、低温真空蒸留法でじっくりと抽出される。
「椿酵母エキス」は、雪の中で温度を上げる花の酵母に由来する成分、「椿葉クチクラ」は葉の艶を生み水分を留める天然ワックスを抽出した成分です。ほかにも葉から抽出した高保湿アロマ成分や、果皮の繊維スクラブなど、椿の可能性を余すところなく引き出しました。地域も私たちの肌も元気に──。自然の恵みは豊かな循環を生み出します。
(次回へ続く)
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