薬膳では、秋の前半の今頃の時期を、夏の暑さが残っている状態に秋の乾燥が加わることから、「温燥(おんそう)」と呼びます。そんな時期にぴったりのフルーツが梨です。
梨には潤いを生む効果と、体の熱を冷ます効果があり、暑さと乾燥を同時にケアできます。空気が乾燥し始めるこの時期に増える、空咳にも効果的。そのほか、肌をきれいにする効果や、痰を取り除く効果、お酒の解毒効果も期待できます。ただし、お腹がゆるい時は控えてくださいね。
今日ご紹介する「梨れんこんのドリンク」は、のどを潤し、咳を止め、熱を冷ますのによい、薬膳の古典処方のドリンクです。このレシピを紹介すると、「えっ、 生のれんこんで作るの!?」と驚かれますが、作ってみると意外とおいしいのです!
ちょっと味が心配な方は、れんこんの分量を少なめにしてみてください。私のSNSでの投稿をきっかけに、このレシピを知ったプロのシンガーの方も愛飲してくださっているほど、効果は覿面ですよ。
●材料と作り方
1) 梨(100g)の皮をむいて芯を取り、一口大に切る。れんこん(100g)の皮をむき、一口大に切る。
2) 1)に水(少量)、はちみつ(お好み)を加えてミキサーにかける。
久保奈穂実(くぼ・なおみ)
国際中医薬膳管理師。漢方アドバイザー。ハードな生活で身体のバランスを崩した際に漢方薬に助けられた自身の経験から興味を持ち、中医学と薬膳を学ぶ。現在、成城漢方たまりで年間約2000人の漢方相談・薬膳講師を行っている。著書に『1日ひとつ、疲れが消える おいしい漢方365』『おいしい漢方365 いたわりスープとごほうびドリンク』(ともに世界文化社刊)。SNSで発信するやさしい養生知識や、簡単薬膳レシピも大好評。X:@naominkubo /Instagram:@naomin_yakuzen※この記事は、久保奈穂実『おいしい漢方365 いたわりスープとごほうびドリンク』を再構成しています。