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日本で一番多い名字は「佐藤」。そのルーツは?実は、祖となった人物がわかっています

2024.10.02

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

佐藤(さとう)

第2回は「佐藤」。かつては「鈴木」に次いで2番目に多いと言われていましたが、現在では最多であることがわかっています。とくに東北に多く、秋田県では人口の8%近くが佐藤さんです。

「佐藤」はその祖となった人物がわかっています。平安時代中期の中級の公家、藤原公清(きんきよ)という人物です。

公清は藤原氏の一族で、朝廷の左衛門尉(さえもんのじょう)という役職について佐藤氏を称しました。つまり、「佐藤」とは「左衛門尉の藤原」という意味です。しかし、左衛門尉に因むとすれば「左藤」となるはず。あえて「佐藤」と名乗ったのには意味があるはずで、その理由は大きく2つの説にわかれています。


一つは佐渡守に因むというもの。加藤や伊藤など「国名+藤」の名字は多いのです。従って、「佐藤」の「佐」は佐渡国に由来するという考え。系図上公清の叔父にあたる公行は佐渡守をつとめたという記録があり、しかもその治績はかなり高く評価されていたそうです。公清が左衛門尉となって「さとう」氏を称するにあたり、公行の「佐渡守」から「佐」を使ったほうが家として箔がつくということです。

もう一つの説が、佐藤の「佐」は下野国佐野(現在の栃木県佐野市)に因むというもの。

かつて、佐野には公清一族の遠祖で当時すでに歴史上の偉人であった藤原秀郷が住んでいました。ここから「佐野の藤原氏の末裔」という意味も込めて、「さとう」の「さ」を「佐野」の「佐」にしたというものです。

「佐」の由来を示す史料は存在せず、どちらであるかを断定することはできないのですが、「佐野」に因むというほうが可能性が高そうです。 現在、栃木県佐野市は「佐藤さんゆかりの地」として町おこしをしています。

森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家 1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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