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“帰りたくなる宿”へ──。全館リノベーションを果たした旅館くらしきの女将が語る「おもてなしの原点」とは

2024.09.24 | PR

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「おもてなしの原点へ」もう一度──。旅館くらしき、受け継がれる美しい宿

“本来あるべき姿へ戻すこと”をコンセプトに行われた、「旅館くらしき」のリノベーション。倉敷の美観地区にある老舗名旅館が、“帰りたくなるような宿”へと生まれ変わりました。


倉敷美観地区の顔として、長年愛され続けている旅館くらしき。「そもそもは砂糖問屋の商家だったのですが、近くで料亭を営んでいた先代の女将が地元の名士、大原聰一郎氏の“倉敷に、世界中の旅人が安心して泊まれる宿を”という思いに共感し、その願いに応えるために、ここを旅館として開業したのです」と教えてくださったのは、先代から旅館くらしきを託されて19年目を迎える現在の女将、中村律子さん。旅館くらしき 女将 中村律子さん。

旅館くらしき 女将 中村律子さん。

中村女将が先代から2005年に受け継いだのは、日本ならではのどっしりとした木造建築。米蔵や砂糖蔵として使われていた歴史的な建造物を宿として作り直したものでした。翌年に施した大規模改修では時代に合わせて「便利」を優先、その一方であまりに昔のままで“くつろぐ空間”とは言い難い部分が混在し、そのアンバランスな違和感が年を経るごとに目立ち始めたといいます。

この名旅館を“住み継いでいきたい”と語る女将。その真意とは──

「今回、全8室のうち5室、そして離れ湯やレストランのリノベーションに踏み切ったのは、この宿を“住み継いでいきたい”という強い思いがあったからです。あえて“住み継ぐ”という言葉を使うのは、この宿がお客様にとって、そして倉敷という街にとって、通り過ぎて風化してしまう場所ではなく、何度でも帰って来たくなるような、本当の意味で住み心地のよい場所になってほしいと願っているからです」。「奥座敷」。画面左にあるキャビネットは初代女将が大切にしてきたもの。右の障子を開けると小さな箱庭が。懐かしさを呼び覚ます里山のような景色が、滞在する日々に潤いを与えてくれます。

「奥座敷」。画面左にあるキャビネットは初代女将が大切にしてきたもの。右の障子を開けると小さな箱庭が。懐かしさを呼び覚ます里山のような景色が、滞在する日々に潤いを与えてくれます。

古きは美しく、新しきは調和を大切に。50年100年先までを見据えたリノベーション

たとえば昭和半ばの建築である80平米を超える広さの「奥座敷」。玄関を入ると広々とした和室を中央に、一方にはゆとりのある寝室が奥へと続き、もう一方にはコンビニエントなキッチンとバスルームがつながっていきます。キッチンやランドリーなど快適な生活のためのシステムは備えつつ、キャビネットや襖の引手などは先代から受け継いだものを使用。モダンで洗練された日本建築の中に、歴史が培ってきたエッセンスをちりばめています。
「巽の間」。奥の和室と手前の寝室の間を、収納してある襖で仕切ることができます。

「巽の間」。奥の和室と手前の寝室の間を、収納してある襖で仕切ることができます。

280年前に建てられた米蔵だったという「巽の間」は、うねった大きな梁と大黒柱が見事な景観を成す一室。もともとは岡山県出身の名建築家、浦辺鎮太郎が手掛けた静謐な印象の部屋で、文豪たちの定宿としても知られていました。今回のリノベーションでは、和室と寝室を区切っていた壁や天井を取り除き、梁や大黒柱を露出させることで広い空間を確保。襖の木枠が目立たないよう襖紙を太鼓貼りにすることで、立派な柱の存在感がさらに際立っています。「巽の間」の奥にあるソファスペース。お気に入りの本とおこもりするのにぴったりです。

「巽の間」の奥にあるソファスペース。お気に入りの本とおこもりするのにぴったりです。

「巽の間には、ちょっとした“隠れ家”のようなスペースも作りました。小さな空間に、座面の大きなL字形のソファが置いてあります。胡坐をかいて読書をしたり、ゴロ寝したり、窓から鶴形山を眺めたり……。これまでにはなかった“遊び”や“ゆとり”を込めた部屋になっています」。

築300年を超える道具部屋をリノベーションした「蔵の間」はメゾネットタイプ。掘りごたつのある1階と寝室のある2階は、壁で仕切られることなく開放感と明るさを湛えています。昔ながらの梁や柱を補強してそのまま使った部分もあり、まさに“住み継ぐ”という意志をくっきりと感じることができます。
「蔵の間」。上手に外光も取り入れ、メゾネットならではの抜けのある空間に。

「蔵の間」。上手に外光も取り入れ、メゾネットならではの抜けのある空間に。

暖簾、椅子敷、衣装箱──民藝の街の手仕事が、宿全体に品格をもたらして

歴史ある木造建築のディテールを補強しながら最大限に生かしたそれぞれの部屋は、空間そのものがまるで博物館のよう。額に入れて展示されているのではなく、滞在する中でふと触れる柱に、目に入る梁や大黒柱に日本建築の「美」を感じることができます。

「美といえば、倉敷は民藝の街でもあります。旅館くらしきでは、倉敷ならではの工芸品を客室に多く取り入れ、実際に使ってその良さを体感していただくことにも取り組んでいます。工芸品は長く使うほどに味わいが増すサステナブルなものたち。ご希望があれば工房へもご案内し、倉敷の手仕事に触れていただくことでさらにこの街への理解を深めていただければと思っています」。
い草の工房「須波亨商店」にオーダーした衣箱。

い草の工房「須波亨商店」にオーダーした衣箱。

左から、「髙城染工」の藍染の暖簾。倉敷デニムの工房に依頼した麻製のテレビカバー。「倉敷本染手織研究所」の椅子敷。

左から、「髙城染工」の藍染の暖簾。倉敷デニムの工房に依頼した麻製のテレビカバー。「倉敷本染手織研究所」の椅子敷。

旅館の料理を取り仕切るのは料理長の市原茂和さん。地産地消を心掛け、瀬戸内の食材を月替わりでコース仕立てにして提供。季節感をふんだんに盛り込んだ夜の会席コースはもちろん、朝食の美味しさにも定評があります。左・季節の旬菜。奥から時計回りに太刀魚と菊、青菜の塩麴和え、れんこんの素揚げ、銀杏、青魚の焼き棒寿司、さつまいも、かますの山椒焼き、明太子と紋甲イカのとんぶり添え。右・松茸と淡路島産鱧の出汁しゃぶしゃぶ鍋。きゅっとすだちを絞っていただきます。

左・季節の旬菜。奥から時計回りに太刀魚と菊、青菜の塩麴和え、れんこんの素揚げ、銀杏、青魚の焼き棒寿司、さつまいも、かますの山椒焼き、明太子と紋甲イカのとんぶり添え。右・松茸と淡路島産鱧の出汁しゃぶしゃぶ鍋。きゅっとすだちを絞っていただきます。

家族と、仲間と、暮らすように旅してほしい。町家を改装したレジデンス2棟をオープン

レジデンスは「Omoya」と「Hanare」の2棟。

レジデンスは「Omoya」と「Hanare」の2棟。

今回のリノベーションと同じタイミングで、本館から数分の場所に戸建てのレジデンスを2棟オープンさせた旅館くらしき。「今、倉敷美観地区で最も元気のある本町通りにある、築100年の町家をフルリノベーションしました。もとは風呂桶の工房だった場所です。どちらもメゾネットタイプでキッチンもフルスペックで設置。ご家族やグループで長期滞在しながら、倉敷を中心に様々なエリアを観光していただくのにぴったりです」。
窓を開け放ち、自然と一体化した空間を楽しんで。庭には井戸もあります。

窓を開け放ち、自然と一体化した空間を楽しんで。庭には井戸もあります。

中村女将はいいます。「本来あるべき姿に戻しつつ、なおかつ現代に即した形に進化させる。おもてなしの原点に立ち返るべく行った今回のリノベーションです。先代が“世界中の旅人が安心して泊まれる宿を”と願ったその想いを受け継ぎ、すべての皆様に気持ちの良い滞在を提供してまいりたいと思っています」。



旅館くらしき
岡山県倉敷市本町4-1
電話 086-422-0730
URL:https://www.ryokan-kurashiki.jp/

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