粟田さんが推してやまない気鋭のアーティスト
婁正綱(Lou Zhenggang)さん
1966年、中国・黒竜江省生まれ。3歳の時から書の指導を父より受け、12歳でその才能を認められ「智力超常児童」に認定、国家の特別教育を施された。
現在、婁正綱さんの作品を収蔵する美術館や博物館は故宮博物院をはじめ30を超える。近年は伊豆にアトリエを構え、書や絵画の枠を超えた新しい芸術を意欲的に試み、抽象絵画「Untitled」シリーズを発表している。
世界文化社スタジオで屛風に躍動感に満ち満ちた「心」の字を大書する婁さん。撮影/八田政玄
2023年に東京・アーティゾン美術館で開催された「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」に同シリーズの出展を果たし、クリスティーズなどの世界的なオークション会社のプライベートセールでも取引されるなど、書や絵画の枠を超えた独自の芸術性が高く評価されている。著作に『こころ』『心のことば』(世界文化社刊)などがある。
東京タワーを背にコンクリートの床面に書をしたためる婁さん。
ビル屋上のガラス面に漢詩を記す。まるで空に書をしたためているよう。
ギャラリーLのリビング横、外構に設置された作家の像。『心のことば』で撮影した上の写真を参考にして制作されたのだとか。