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アートと暮らす邸宅ギャラリー【後編】推してやまないアーティストの作品を大胆に飾る

2024.09.12

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心もからだも満たす“特別な空間”

ギャラリーLの地下空間にひときわ大きな作品が飾られています。5枚のカンバスからなる大作は縦が194センチ、横が810センチあります。

この日は粟田さん親子にとって「ハレの日」。お気に入りの「無題 2022」の前でいただく鮨の味は格別、と粟田さん。

この作品は2023年にアーティゾン美術館で開催された「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」展で展示された2点の婁作品のうちの1点。

粟田さんたっての願いで、この大作がコレクションに加えられました。粟田さんにとって、数多のコレクションの中で一番好きな作品でもあります。作品の持つ「力」に勇気づけられ、頑張る力が湧くそうです。


ギャラリーLの構想を練るにあたり、粟田さんはこの作品を「どこに掛けるか」を、最初に考えました。何しろ大きな作品ですから広い壁面が必要です。いろいろ検討したそうですが、最終的にもとは倉庫として用いられていた地下空間にリノベーションを実施し、展示することにしたのです。

「食の感動で、この星を満たせ。」というスローガンを掲げて経営にあたっている粟田さんですから、お気に入りの大作を掛けたこの空間を、心もからだも満たす “特別な空間” にしたいと考えました。

ただ、作品のことを考えると湿気や熱は大敵です。熟考し思い至ったのはこの空間をプライベートな鮨処にすることでした。婁さんの書「心」を暖簾に写した「鮨こころ」の開店です。

鮨こころ

1階のエレベーターホール前の作品「心 #4(Heart)2023」を写した暖簾の向こうは静謐な空間。大切なゲストしか招き入れない、粟田さんにとって特別な場所。

大切なゲストをもてなすこの空間で過ごす時間は、粟田さんにとって至福のひと時。

今日は苦楽を共にしてきた奥様、そしてお嬢さんと、ギャラリーLに出張ってきた鮨職人の丁寧な仕事による握りを堪能します。


ギャラリー設計/ジョイントセンター(原兆英、原成光)

Gallery L
東京都渋谷区広尾(詳細住所は非公開)
完全予約制。見学希望などお問い合わせは下記まで。
メール:kikuchi@lzgstudio.com

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『家庭画報』2024年09月号

家庭画報 2024年09月号

撮影/本誌・坂本正行

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