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全米にも轟いている、日本人の名字「大谷」。大きな谷は、昔の人にとって一等地だった

2024.10.03

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

大谷(おおたに・おおや)

今やアメリカでは最もポピュラーな日本人の名字かもしれない「大谷」。「オータニ」という名字は全米に轟いています。

日本人には「~谷」という名字が多い。これは、昔の人の暮らしが関係しています。今では一等地というと駅の近くなど、交通の便のいい平地が好まれますが、中世はそうではありませんでした。というのも、戦の多かった中世、平地の真ん中だと四方から攻められる可能性があり、守りを固めるのは大変。しかし、一方にだけ口の開いている谷の場合は、谷の入り口だけを固めてしまえばよく、守りやすい土地だったからです。

さらに谷には必ず川が流れています。そこから水をひいて米をつくることもでき、住みやすい土地でもありました。そのため、谷という谷には独立した領主たちがいて、それぞれ「~谷」という名字を名乗っていました。


さて、「大谷」さんのルーツは文字通り「大きい谷」でしょう。 一等地である「谷」の中でも「大きな谷」は魅力的な土地であったに違いありません。

もちろんこうした「大きい谷」は各地にあり、「大谷」さんも沖縄を除いて全国に広く分布しています。岩手県は比較的「大谷」の少ない県ですが、それでも県内各地に広がっています。

因みに、「~谷」という名字は、西日本で「~たに」と読むことが多く、東に行くにつれて「~や」が増え、東北では圧倒的に「~や」が多いという特徴があります。しかし、「大谷」は全国どこに行っても「おおたに」が多いのです。それでも、北関東から東北にかけては「おおや」さんも多く、大谷石(おおやいし)で有名な栃木県では、半数近くが「おおや」と読みます。大谷翔平の出身地岩手県でも3割程は「おおや」です。

森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家 1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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