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「七五三」と書いて、「しめ」と読む、その由来は?【難読名字解説】

2024.10.25

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墨アート製作/越智まみ

名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:七五三(しめ)

名字を漢字とひらがなで書く場合、通常は漢字の方が文字数が少なくなります。もちろん、「佐々木」のように漢字でもひらがなでも同じ文字数というのもありますが、この「七五三」という名字は、漢字で書くよりもひらがなで書いた方が文字数が少ないのです。

この名字は、正月を迎えるに際して、家の玄関などに飾る「しめ縄」に由来します。では、しめ縄を漢字ではどう書くかご存じでしょうか。

「しめ縄」は、一般的には「注連縄」と書きます。しかし、他の書き方もあります。


しめ縄は中央部が太くなった横向きの縄から、下に向かって3本の紐(紙垂・しで)を垂らした形になっています。古い時代では、この垂らした3本をそれぞれ7筋、5筋、3筋の藁でつくっていました。そこから、「しめ縄」を「七五三縄」とも書くのです。

そして、「七五三縄」で「しめなわ」と読むなら、「七五三」の部分だけをとれば「しめ」だろう、ということで「七五三(しめ)」という名字が生まれたのです。

現在は関東地方の名字で、とくに利根川の下流域に多くあります。また、ここから派生して生まれた「七五三木(しめぎ)」や「七五三掛(しめかけ)」という名字もあります。

森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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