TASAKI 創業70周年を晴れやかに祝う「バランス」の新作ハイジュエリー

ジュエリー見聞録　10月　宝石史研究家・山口 遼さんの解説で、素晴らしいジュエリーとその見どころをお届けします。前回の記事を読む＞＞　連載一覧へ＞＞

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あこや真珠のデザインの可能性を広げるネックレス

解説／山口 遼（宝飾史研究家）

TASAKIが2010年から発表する「バランス」というシリーズを、見事にハイジュエリーに応用した新作ネックレスです。「バランス」は金属のバーの上に同じサイズのあこや真珠を隙間なく並べたものを基本として、一見すると均衡が崩れて真珠が滑り落ちそうな、危うい感覚が面白いデザインです。

このネックレスの見どころは、あこや真珠のジュエリーでは非常に難しいとされる、デザインのモダンさにあります。側面にダイヤモンドを埋め込んだホワイトゴールドのバーに、5つの真珠をのせたパーツを繰り返しています。このバーを縦に並べて、まずはチョーカータイプのネックレスの部分を作り、その中央から今度はバーを横に重ねて胸もとを飾る板状の垂れ下がりを作っています。シンプルな変化ですが、全体で見ると非常にすっきりとした、マニッシュな印象になります。垂れ下がりの部分は上から糸を通して繫いでいますので、しなやかさがあり、着けると自然にフィットします。


白くて丸いものというあこやの養殖真珠の形状から、それで作るジュエリーはどうしても単調で伝統的なデザインに偏りがちですが、そこを上手く避けたのが、TASAKIの腕の見せ所です。これまでのありきたりの養殖真珠のネックレスには見られない、斬新かつモダンな、見事な作品ですね。

整然と積み上げたモチーフに宿るドラマティックなオーラ
今年で創業70周年を迎えたTASAKI。これを記念し、独創的なデザインでブランドを代表するアイコン「バランス」から、大粒のあこや真珠を贅沢に使ったハイジュエリーが生まれました。ほんのりピンク味を感じるあこや真珠とモダンなデザインが調和した、晴れやかな逸品です。「バランス パレス チョーカー」（WG×あこや真珠×ダイヤモンド）5500万円（参考価格）／TASAKI

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