連載「My Delicious だしが決め手の料理」10月
さんまご飯とひらめのあえもの
ご飯を炊飯器で炊く場合は、炊き上がってから焼いたさんまをのせる。
懐石料理の要である季節感を大切にして、滋味に富む折々の料理を作り出す原田アンナベル聖子さんに、秋を満喫する2品を教わりました。
「とれたての新米と脂がのった旬のさんまは相性抜群。すっきりとしたまぐろ節ベースのだしで炊き、さんまの味わいを引き立てます」と原田さん。
また、菊花が鮮やかなあえものは「お刺し身に昆布だしの粉をふって、昆布じめのような風味を加えました」。わずか15分ほどでうまみがぐんとアップ。ワンランク上のおいしさに仕上がります。
材料(6人分)
さんまご飯
・さんま 3尾
・米 4合
・ごぼう 40グラム
・大根(おろす) 適量
・茅乃舎極みだし 1袋
・日本酒 50ml
・薄口醬油 20ml
・塩 適量
・濃口醬油 適量
作り方
1.米をといでざるに上げ、30分おく。ごぼうは皮をたわしでよく洗い、ささがきにして水にさらす。さんまは3枚おろしにして骨を抜く。
2.ボウルなどに水650mlを入れ、極みだしのだしパックの中の粉末、日本酒、薄口醬油を加えて混ぜ合わせる。
3.土鍋に米と(2)、水気をきったごぼうを入れ、ふたをして強火にかける。5〜10分して全体がしっかり沸いたら(ふたを開けて確認してもよい)、火を止めて13分おく。
4.その間に、さんまに塩をふって強火のグリルで皮目を香ばしく焼く。
5.(3)のご飯に焼いたさんまをのせ、土鍋のふたをして強火で3分ほど再加熱する。火を止めて約3分蒸らす。
6.茶碗によそい、たっぷりの大根おろしをのせて濃口醬油を数滴たらす。
材料(3人分)
ひらめのあえもの
・ひらめ(刺し身用切り身、鯛やかれいでもよい) 40グラム
・ 食用黄菊 5グラム
・ 食用紫菊 3グラム
・ 壬生菜 1/3束
・ 茅乃舎昆布だし 1袋
・ 穀物酢(または米酢) 大さじ1
・ すだち 2個
・ 白醬油 5〜10ml
作り方
1.ひらめの切り身に、昆布だしのだしパックの中の粉末3つまみをふる。15分ほど冷蔵庫に入れて味をなじませる。
2.黄菊と紫菊は、がくから花びらを摘む。鍋に水1.5Lを沸かして穀物酢を入れ、菊を30秒ほどさっとゆでて冷水にとり、水気を絞る。
3.壬生菜を沸騰させたたっぷりの湯で1分ほどさっとゆでて冷水にとり、水気を絞って3.5センチ長さに切る。
4.ボウルに(1)(2)(3)を入れてすだちを絞る。味見しながら白醬油で味をととのえ、器に盛る。
福岡の料理屋「御料理 茅乃舎(かやのや)」発祥の茅乃舎のだしを使用。右はご飯に炊き込んだ「特選 茅乃舎極みだし」8グラム×12袋入り、2808円。左は刺し身を昆布じめ風にするのに使った「茅乃舎 昆布だし」6グラム×24袋入り、2268円/久原本家 TEL:0120-84-4000
原田アンナベル聖子(はらだ・あんなべる・せいこ)さん
慶應大学卒業後、懐石料理店で研鑽を積み独立。ケータリングや料理教室を始める。「とらや 赤坂店」リニューアルに伴うフードディレクションに携わった後、一昨年カウンター10席の和食料理店をオープン。
komb(こんぶ)
東京都新宿区若宮町5
TEL:03(3528)9894